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ブランドの価値基準とは?

本日はジュエリーブランドの価値について語りたい。

質問者:ジュエリーブランドの価値について教えてください。

今回の件は、婚約指輪を購入前提で有名ブランドとノンブランドのジュエリーの価額差についての質問があったのでそれに対する応答である。

ブランドジュエリーの宝石(ルース)を除いた貴金属の価額帯とノンブランドの貴金属価値の価額差 つまりブランドジュエリーの付加価値を知りたいとのことだ。

わが国で市民権を得ている有名なジュエリーブランドといえばショーメ、カルティエ、ティファニー、ブシュロン、ヴァンクリーフ・アーベル、ブルガリ、 ハリー・ウィストン、ピアジェ、メレリオ・ディ・メレー、モープッサンショパールといった具合だろう。

ご存知のとおり金相場というものがジュエリー業界には存在する。

今回はシンプルな結婚指輪のデザインである平打ちリング(3.5g)を例にしブランドの付加価値を推し量りたい。

仮にK18PGで1.0グラム5,700円と換算した場合、ブランドメーカーであれノンブランドであれ、この場合、金属の比重は同じなので貴金属の原価は同じである。

3.50g×5,700円=19,950円となる。

ノンブランドジュエリーの場合、そこにデザイン料や加工費を上乗せし総額で96,000円(税込み)とする。 一方、有名ブランドメーカーの場合は、196,000円ぐらいになるだろう。貴金属の原価の約10倍である。

この差額100,000円がいわばブランド力である。つまりブランドメーカーの付加価値といえる。

ブランド力による製品価額にはジュエリー製品としての長い歴史の中で培ってきた技術料や社会的信頼をはじめ、品質保証、デザイン料、テナント料、また人件費も含まれた金額といえる。

歴史が長いブランドほど、そのメーカー独特の素地を作り上げてきており、また広く支持もされている。世界的なメゾンのジュエリーになれば尚更といえよう。これはヨーロッパのジュエリーブランドが王家による権威(王権)のための王冠や勲章などの製作を担当してきた経緯から、大なり小なりジュエリーブランドは王族や貴族を顧客として存在してきた事実があるからだ

日本では考えづらいかもしれないが今もなおヨーロッパには身分社会つまり階級社会が暗黙のルールとして存在しており、ジュエリーの購入層は王侯貴族等やビジネス成功者等の富裕層である

したがってブランドメーカー(セゾン)は王家御用達ブランドとしてのジュエリーの品質と価額が担保され、現在もなおブランドの付加価値は健在といえる。

そもそも日本においてジュエリーは外来の文化であり和の文化ではない。ギリシャ神話や北欧神話、またキリスト教やユダヤ教といった精神的な哲学ともに華咲いた経緯がある。ジュエリーは数千年もしくは数百年単位の長い歴史がある。それは日本人である私どもの理解を凌駕した独特な西洋文化といえる。

ジュエリーブランドの付加価値は金額で換算できない時間的要素がある。

したがって一概には言えないが先ほどお伝えしたブランドの付加価値である金額100,000円を高いと捉えるか、安いと捉えるかは購入者の価値観によると思える。それゆえに一括りに貴金属の原価のみでブランドジュエリーの付加価値を推し量ることは、差し控えた方が無難といえよう。

質問と矛盾するようだがお金でブランドの価値を計ることは簡単ではない。

ショーメ、カルティエ、ティファニー、ブシュロンといった世界的なメゾンのジュエリーの購入層は、お金でそのブランドを購入するというよりも憧れやロマン、好み、先祖代々の購入先ジュエラーといった様々な理由からジュエリーを購入している。

サン・ティグジュペリの星の王子様の至言ではないが「大切なものは目には見えない」のだとイケゾエガレ&ロミオ兄弟は質問者にお伝えしたい。

本日は富裕層からのダイヤモンド3.00ctのジュエリーのデザインを引き受けたため、その作業のためにこのあたりで失礼する。イケゾエガレ&ロミオ老舗ブランドメーカーと称されるよう日々精進するのみだ。