第六話:一発逆転劇

元ビジネスパートナーによる不義理行為は、イケゾエガレに衝撃を与え、そして大いに憔悴させた。

確かに憔悴したもののイケゾエガレ&ロミオはそこで終わることはなかった。

元不動産社員のS氏の悪意ある不当請求に対して、イケゾエガレは警察に被害届を出したものの「立証できない」ということから詐欺事件としては残念ながら「不受理」となった。

警察官が確実に立証できる事件しか被害届を受け付けないことは、過去の体験から嫌というほど身に染みている。

当時担当の警察官は「イケゾエガレさん、相手は確信犯であることは間違いありません。我々から言わせれば詐欺の専門家と言えます。ですから相手はあなたを欺くために念入りに証拠を隠滅しています。心から同情します」と親身に相談に乗ってくれたことは、ガレにとって幾分かの救いとなった。

目の前で起こったことを嘆いても何も始まらない。今まさに過去のことを嘆くのは現実から目を背けることだ。

イケゾエガレ&ロミオ兄弟が成すべきことは、如何にしてお金を集め、支払う義務のないイケゾエガレ名義の仮初めの負債300万円を完済する以外に未来をひらく道はない。

不正請求の滞納金300万円はイケゾエガレ&ロミオ兄弟が支払う必要のない金である。

イケゾエガレ&ロミオ兄弟は愚痴をこぼしながらも「本来は3,000万円ほどの損失になるところを300万円で済んだのだ。むしろ300万円を支払うことができる自分たちになったことに大いに感謝しよう」と誠実に滞納金を支払った。

騙すよりも騙される方が良いとはいわないが、それでも四の五の言わずにお金を支払う姿勢、これがのちにイケゾエガレ&ロミオの社是「人に媚びず、富貴に媚びず、時代を編む美意識、それが琳派」に通ずる経営方針となる。

しばらくガレは心の安定を得るため、宝石商の仕事から一時的に離脱した。

イケゾエロミオがそうであったように、イケゾエガレは心の休憩をとった。

兄ガレは職業安定所が紹介するIT関連学校に通いながら、Webサイトの作り方を学んだ。

というのも今後は大手ECモールなどのポータルサイトに依存しないため、強力な自社販売サイトの構築が必須事項であると考えたからだ。

心の休憩といえども、この男は休むということを知らない。

むしろ休み方を知らないのだろう。

現在、このIT関連学校に学んだ知識が「イケゾエガレ&ロミオ公式サイト|王の名を冠する宝飾家」に役立っていることは言うまでもない。

ジュエリー専門のWebサイトを構築する上で必要なのはWeb制作知識だけではない。

やはり古今東西における宝石史や宝石学といった専門知識も必須不可欠だ。

専門家の宝石商がアクセスされた方に対して、万全の知識をもって「おもてなし」をするからこそ、お客様は安心してショッピングを楽しめるからだ。

その観点に立った時、日頃からマーケティングの一環として古今東西の宝石資料を集めていたイケゾエガレ&ロミオは、ドイツカットで知られるラピダリスト(宝石研磨士)のムーンシュタイナー親子、21世紀のルネ・ラリックと呼ばれて久しいジュエリー業界のカリスマ的存在であるアーサー・ローゼンタール氏(通称:JAR)のことを知り、彼らについて真剣に学んだ。

彼らの姿に自分たちの未来を重ねたといってもよい。

その頃だったと思うが、駆け出しのジュエリーデザイナー兄弟として、イケゾエガレ&ロミオ兄弟が海外に製造依頼をしていたジュエリー数十点が某大手ECモールを介して、思いがけない高額な金額で取引された。

二人は「奇跡だ!」と思ったが、じつはそうではなかった。

それには確かなる理由があった。

緻密なマーケティングの結果、高額取引の理由は大粒の天然石をふんだんに使用しているから高額な価格で販売されたのだ。

通常なら数百万円で販売されている商品がその半額以下で販売されているからこそ、転売屋等にとって大変に魅力がある転売商品に映ったそうだ。

やり手の転売屋たちの間で「イケゾエガレ&ロミオ兄弟」の作品は高値で売れると一時話題になった。

イケゾエガレ&ロミオの作品販売におけるモットーは、「最高品質のジュエリーを一般消費者が買いやすい適正価格で提供する」ことであり、多くの宝石商等が陥りやすい「ぼったくり商売」に一切関わらないことだ。

多くの転売屋が私たちイケゾエガレ&ロミオの作品を購入したいと申し出たこともあり、本来ならば宝石商にとって忌み嫌われる存在である転売屋のために兄弟は真摯に耳を傾けた。

苦労に苦労を重ねてきた結果、彼らの気持ちが痛いほど分かるようになったからだ。

彼らと対等の関係を結んだ結果、多くの転売屋から「ミリオネア」が誕生した。

その中には転売屋から卒業し、投資家となった者たちもいれば、念願の東京都一等地の億ションを購入した転売屋もいた。

彼らが儲かるたびにイケゾエガレ&ロミオも儲かり、彼らが富める者になればなるほどイケゾエガレ&ロミオ兄弟も富める者になっていった。

今思えば「努力と誠実は何かしらの方法で報われるのだ」とこの時ほど心底思ったことはない。

まさにそれはオセロゲームのように黒を白に塗り替え、チェスでいえば土壇場でチェックメイトを成し遂げた一発逆転劇だった。

転売屋を介して一般消費者(富裕層)にその名を知られるようになったイケゾエガレ&ロミオ。

彼らが制作するアートジュエリー(芸術的なジュエリー)や現代アール・ヌーボー様式美や現代アール・デコ様式美は、旧体制のジュエリー小売業界の古びたデザインに飽き飽きしていた富裕層に熱狂的に支持された。

その結果、資金難に陥っていたイケゾエガレ&ロミオは水を得た魚のように息を吹き返した。

多くのパトロン及び転売屋、一般消費者の支持のもと、イケゾエガレ&ロミオは「アートジュエリーを主とする宝飾品を企画販売する宝石商」として、2010年4月1日に大阪市北区にて晴れて法人登記をすることができた。

地元の兵庫県姫路市での法人登記ではなく、大阪府大阪市での法人登記の理由は姉アヤコのアドバイスによるものだ。

会社設立のために単独大阪に赴任したイケゾエガレは、ロミオの勧めもあり、宝石の知識を総復習をするため、大阪の某宝石学校に半年間ほど通うことにした。

その後、大阪の姉夫婦が経営する会社の一室を間借りし、私たちイケゾエガレ&ロミオは個人自営業から正式に法人として第二創業期を迎えることになった。

法人設立後、会社を軌道に乗せるため、イケゾエガレ&ロミオとその家族は姫路市から大阪市に家族ごとしばらくの間、転居することになる。

ちなみに宝石業界は全盛期で3兆円規模を誇る産業だったが、現在は1兆円程度の産業だ。

それゆえに宝石業界は出版業界同様に傾斜産業と呼ばれて久しく、利益を上げるために昔ながらの宝石商は「ぼったく商売」、一人の顧客に多重ローンを組ませる「多重ローン販売」を当たり前のように行ってきたが、私たちイケゾエガレ&ロミオは真摯にお客様に寄り添い、適正価格での販売を常に心がけてきた。

その結果、これまた後日談にはなるものの、2010年から2018年の8年間にかけて「宝石業界を震撼させる事件」が起こった際、多くの中小宝石商が倒産・閉店の憂き目にあった。また大手宝石商さえも救済合併に追い込まれるものの、私たちの会社は奇跡的に生き残ることができた。

これは宝石業界の悪しき習慣に迎合せず、一人ひとりの顧客を大事にしてきた結果だと思う。

現在では大手宝石商とまでいかないが、私たちイケゾエガレ&ロミオは中堅宝石商と同等の扱いを受けて現在に至る。

ちなみに姫路市に拠点を置く宝石商においては、光栄にも「5本の指にはいる宝石商」と認知されているようだ。

ここまでがイケゾエガレ&ロミオの青年期までの物語、小説でいえば「第一部」にあたるといってよい。

第二部は大阪から姫路にもどるまでの10年間に起こった出来事だ。

ざっと思い出すだけで大阪での宝石商としての10年間の営みは、読者諸君に語った「第一部」と変わらないほどの多くの出会いがあった。

もちろん出会いがあれば、当然のように困難もあれば事件もあった。

第二部は宝石商リチャード氏の出会いから始まり、清王朝の皇帝の末裔、マルタ共和国大統領からも称賛された老画家、現代日本を代表する経営コンサルタント、バルト三国の一国「ラトビア共和国」某大使(投資担当)との商談、英国王室からの礼状など語りに語りつくせないほどの出会いだ。

宝石商としての経営面においても様々な出来事があった。

同業者の倒産廃業・合併、売掛金の未回収、姉夫婦の弾圧や従業員の裏切りからの社名変更、経営危機による事務所の移転、登録商標「イケゾエガレ&ロミオ」のためジュエリーブランド新会社「琳派株式会社」の設立を含め、諸君が宝石商として生きていくための経営方針と戦略を伝えることができれば幸いである。

イケゾエガレ&ロミオは「父親の借金の全額肩代わりと完済」を成し遂げただけでなく、ここまで私たち兄弟が世の中に支払ってきた肩代わりした総額は「1億円」を超える。1億円を支払うことができたということは、1億円を儲けることができるという証左と実績に他ならない。

今だからこそ幾多の困難を乗りえてきたイケゾエガレ&ロミオ兄弟は真摯に思う。
「成功者とは『数多の困難を乗り越えてきた心強き者』のことだ」と。

心強き者は諦めることを知らないからこそ、どんな目的をも最後には達成し、結果的に成功することができるからだ。

さて話は大きく変わるが、姫路に帰郷してもイケゾエガレ&ロミオ兄弟への試練はまだ続いていた。

今度はイケゾエガレ&ロミオ兄弟だけではなく、その試練は全人類に襲いかかった。

2019年の冬真っ只中、世界中に新型インフルエンザウイルスの脅威がアルマゲドンの如く全世界を暗く覆った。

それはリーマンショックを超えるほどの怒涛の嵐であった。

いわゆる中国武漢生まれのコロナウイルスの大流行だ。世界死者数700万人(2020年のWHO発表によれば1500万人以上)を超えるパンデミックの中、知り合いの中小宝石商の多くが経営に行き詰まって廃業せざるえなかった。

しかしイケゾエガレ&ロミオは見事にその試練を乗り越えた。

そして今、現在の私たちには1億円を3億円にする宝石商としての裏付けされたノウハウがある。

この「裏付けされたノウハウ」は公式通販メルマガ(無料)に登録された方にのみ詳細にお伝えしたく思う。

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