本日は、ジュエリー作家の作品展について語りたいと思う。
ジュエリー作家の個展(展覧会)は、ジュエリー作家になろうとしている諸君、または駆け出しの諸君には大いに気なる点だと思う。
率直に言えばジュエリー作家の作品展・個展は、画家が画廊と連携して作品展・個展を開催することとまったく変わらないということだ。
画家でもあるイケゾエロミオの経験だが、多くの画家は貸画廊を数日間借りて、作品展(個展)を開催する。
もちろん場所代は画家が支払うことになる。
そのなかで作品が売れた場合、その売上高から画廊主の取り分として手数料が差し引かれる。
これは自分の作品が売却に至った場合の奇跡的な話であって、駆け出しの画家の作品が「展覧会にて売れる」ということは現実的には困難であり、まずありえないと思ったほうが良い。
映画や小説の世界ならいざ知らず、そこに偶然の奇跡「ビギナーズラック」をみるべきではない。
ちなみに「作品が売れるために個展の広告宣伝をWebやSNS等で告知を行うのは作家自身」だ。画廊主は常連の顧客にDMや作品案内のカードを送付するぐらいであって、作品販売において一切責任を行うことはない。
要約すれば駆け出しの画家は「展覧会開催中は販売利益を上げることなく赤字だ」と思ったほうが無難だろう。
以上のことから画家はクリエイターであると同時に優れた経営手腕がなければ、画家として豊かな生活はできない。
決して画家は『甘い職業ではない』ということだ。
「展覧会をやれば売れる=生計が成り立つ」という思考は、作家特有の妄想だといえる。むしろ業界が意図的に造りだしてきたイメージ戦略であり、駆け出しの画家に個展を開かせるための有名画廊の戦略ともいってもよい。
また駆け出しの画家にとって貸画廊での個展はリスクが高い(潜在的に赤字になる)ため、彼らの多くはその費用を分担するため数名の画家仲間とグループ作品展を開催する場合が多い。
これは作家活動を行っているという『実績作り』であり、極めて自己満足に近いものがある。
画家と名乗るには自分の作品が売れてこそ、そう呼ばれて相応しいと私たちは思うからだ。
そのなかでほんの一握りの作家は、大手有名画廊主の審美眼にとまり、画廊のなかで作品展・個展を開催してもらったり、プロデュース契約を締結する。
そうやって画廊に見出された画家は生活と知名度と作品価値を時間をかけて向上させていくのだ。
一方でジュエリー作家の場合、画廊に代わる組織というものは残念ながら存在しない。
しかしながらインターネット及びSNSの登場により、画家とは違い、ジュエリー作家が単独で生活することが容易になったことは事実といえる。
インテリア用の絵画と違い、ジュエリーを販売するに至って特別なコネクションは不要だからだ。
ジュエリーはある意味で「身に着ける美術」であり、実用性のある工芸品(宝飾品)の側面があるためだろう。
特に女性を生活の中で輝かすうえでなくてはならない必須アイテムであり、女性がこの地球上に存在するかぎりジュエリーやアクセサリーの類いは決してなくならない。
人は美しいものに惹かれ、所有欲があるからだ。
美しいものを愛でる、これは男女のみならず、人間としての生存的な本能であると思う。
さて本題に入るが、「ジュエリー作家は作品展・個展はどのようにしているか?」という問いの答えであるが、絵画とは違い、少なくとも身に着けるものであることから多くのジュエリー作家は百貨店等の催事で作品展・個展を開催し、自分たちの作品を販売している。
最近では駅地下のレンタルショップを借りて作品展・個展を開催していたり、有名宝石店とコラボして開催しているという話も小耳にはさんでいる。
実際に気になるのであれば、SNS等を通じてジュエリー作家と連絡を取り、彼らの作品展に行こう!
足を運ぶことで見えないものも見えてくるだろうし、言葉を交わすことで生の実体験を聞けることは諸君にとってかけがえないのない財産になるだろう。
一見は百聞に如かずという諺は真実だ。
作家を目指すジュエリー職人(クラフトマン)にとっては、作品展に行こうというよりも自分自身の作品展を開くための知識や人脈作りのために他人の作品展に行こう!が正しいといえるのかもしれない。
ちなみにイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)の作品展・個展だが、大変有難いことにWeb経由で受注販売のかたちで個々の対応しているため、現在のところ作品展・個展は開催していない。
というのも基本的にイケゾの作品は、海外富裕層を抱える海外高級オークションにおける出品が基本姿勢であるため、日本人向けには本サイトからの受注のみ受け入れている。
もちろん誰もがイケゾの作品を購入できるというわけではなく、仕事の依頼内容にもよる。
私たちイケゾが「この人の人生を輝かすために作品を提供したい」と思わないかぎり、どんなにお金を積まれても私たちは仕事の依頼を受けることはない。これは社是でもある。
そしてこの社是による対応はブランドの毀損が起きないため、また起こさせないためにも必要不可欠な判断だと思っている。
どうか読者の諸君は私たちの行為にはご理解を賜りたい。
ジュエリー作家イケゾエガレ&ロミオの作品展はいつ開催しているんですか?