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パワーストーンとアクセサリー

本日の質問

パワーストーン業界と宝石業界は同じですか?

今回の質問者は、パワーストーン業界からアクセサリーショップオーナーに転身された女性経営者からの質問だ。

それでは早速だが、時間がないことから質問の本題に入りたいと思う。

まず大半の一般消費者が「パワーストーン業界と宝石業界は同じ業界」だと思っているかと思う。

パワーストーン業界=宝石業界=日本人の共通認識

私たちイケゾエガレ&ロミオは明確に「まったく別物だ」と明言しておきたい。

どのくらい別物かといえば洋食と和食との差といってもよい。

パワーストーン業界は「霊感商法」であり、その歴史は我が国において勾玉文化(占い=願掛け)から発祥している。

というのも古来人は自分たちではどうしようもない自然災害や天変地異、森羅万象すべての諸現象に「信仰の対象」として畏敬の念を抱き、それらを神(或いは八百万の神)として恐れていた。

自分たちが畏敬の念を抱いている神の力に少しでもあやかるため、同じ自然から採掘された天然石を身に着けることは心理学的に何ら不思議なことではない。

その延長線にあるのがパワーストーン業界の「霊感商法」である。

一方で宝石業界は動産として持ち運びができる資産性がある貴金属品(動産資産)であり、その歴史は西洋文化に起因する。

このように非科学的なものを売りにしているのがパワーストーン業界であり、現実的な資産価値を売りにしているのが宝石業界=ジュエリーである。

現実的価値と資産性を省略し、ただ純粋に身を飾るためのファッションモードに特化したのがアクセサリーである。

しかしながら嘆かわしいことに日本ではパワーストーン業界=宝石業界という構図になっている。

その最大の理由は、パワーストーン業界の販促及び宣伝活動において芸能人等を利用し、テレビや雑誌などで題材的にパワーストーンを売り出したことにある。

つまりジュエリー業界が無責任な販促のためにパワーストーン業界に相乗りした結果なのだ。

この点においてジュエリー業界の末席に座る者として大いに反省の余地があると思う。

人間の性根(サガ)というものかもしれないが、人は依存性の生き物である。

他の動物とは明確に違うのが依存期間が非常に長いということだ。

私たちは生まれてから成人するまで約18年間を要する。

この18年間は依存性が醸成する期間としては十二分である。

そこから社会に躍り出ても「18年間の依存性の癖」はなかなか抜けきれないものだ。

この依存性の癖というものは人によっては酒やギャンブル、異性との関係性へと発展していくわけだが、突き詰めていけば共通する部分がある。

それが「精神的な安心と安定」というところだ。

この精神的な安心と安定、そこにビジネスとして付け込んできたのがパワーストーン業界である。

いわゆる霊感商法というワードになる。

私たち宝石商はジュエリーが「人生を変えてくれる」「幸運をもたらしてくれる」という考え方は一切もっていない。

非科学的な価値よりも現実的価値を生計の営みにしている宝石商にとって、このようなワードは御法度といえる。

自然に畏敬の念を抱き、パワーストーンを身に着けることは大変素晴らしいことだが、パワーストーンそのものが読者諸君の人生を変えてくれることは現実的にありえない。

「人生を変えてくれる」「幸運をもたらしてくれる」のは、私たちの日々の努力の積み重ねしかない。

棚からぼた餅という考え方は人生の破綻を招くといってもよい。

その言葉を読者諸君は心に留めてもらいたい。

以上が今回の質問「パワーストーン業界と宝石業界は同じですか?」の私たちの答えである。


文:イケゾエガレ 編集:琳派編集部