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キュービックジルコニアとは

本日の質問

キュービックジルコニアとは何ですか?

今回の質問者は、10代のファッション専門学校生(女性)からの質問だ。

Z世代の諸君は私たちイケゾエガレ&ロミオに訊かずとも、Webにて答えを見つけるのは容易だと思う。

そのうえで私たちの意見が聞きたいということから確証の観点から答えたいと思う。

それでは早速だが本題に入りたいと思う。

まず「キュービックジルコニア」が何かといえば、私たち人類がダイヤモンドの代替品として生み出した模造石だ。

人工石(合成石)と模造石の違いに関してだが、人工石(合成石)は「天然石」に対して使用される対比語だ。

例えば天然ルビーに対して合成ルビーというように、本物の石に対して、それが自然由来の本物か、それとも研究室由来の本物かを対比するために使用される言葉だ。

ちなみに合成石はその成分及び宝石の存在に対しては「本物」である。

本物であることは間違いないが、自然由来ではなく研究室由来にすぎない。

自然由来の場合は「天然」という名称が冠され、研究室由来の場合は「合成」の名称が冠される。

この部分がよく誤認されており、「合成」を偽物と考える人たちが多いので諸君はくれぐれも勘違いしないように。

さて「模造石」というのは一体どういうものかといえば、対比するものが存在しないときに使用される言葉だ。

キュービックジルコニアの場合、ダイヤモンドの輝きに似せて造られた宝石であり、キュービックジルコニアと同等成分の宝石は天然には存在しない。

そのため宝石業界のキュービックジルコニアの位置づけは「模造石」となる。

例えば成分が同等であり、研究室で育てられた場合は「合成」という名称がつく。

この場合、「合成ダイヤモンド」と呼ばれるわけだが、昨今ではラボグロウンダイヤモンドと呼ばれている。

最近の流れとしては、宝石の頂点であるダイヤモンドの合成石がラボグロウンダイヤモンドと呼ばれることから、ルビー、サファイア、アレキサンドライトの合成石に関しても「ラボグロウン」の名称が付与されている。

いわゆる「コマーシャルネーム」であるが、この流れは一層進むものと思われる。以上のことからキュービックジルコニアは宝石業界では位置づけが低い。

具体的には以下の図式が成り立つ。

模造石 > 合成石 > 天然石

Wikipediaで調べれば、「バッデレィ石」がキュービックジルコニアの天然石だという読者もいるが、これは残念ながら違う。

この石は英国人のジョセフ・バッデレィ氏が発見したため、その名称が冠せられているものの「バッデレィ石=天然キュービックジルコニア」ではなく、二酸化ジルコニウムの鉱石鉱物の一部であり、残念ながら宝石ではない。

ちなみにルビーやサファイアの鉱物名称は「コランダム」である。

鉱石コランダムを研磨すれば赤であれば「ルビー」と呼ばれ、青の場合は「サファイア」と呼ばれる宝石になる。

一方で鉱石バッデレィを研磨しても宝石にならないため、「バッデレィ石=天然キュービックジルコニア」にはならない。

というのも二酸化ジルコニウムに、カルシウムや希土類元素化合物などを加え、化学変化を起こしたものが「安定化等軸ジルコニア」と呼ばれ、これを研磨したのが「キュービックジルコニア」となるからだ。

量産が可能なことから1カラットあたりの単価も1ドル以下と安価である。

そのことから広く世界に流通し、低級ジュエリーにダイヤモンドの代わりに使用されているのが現状だ。

そのなかにあっても「スワロフスキージルコニア」に関してはスワロフスキー社の企業努力により、ダイヤモンド鑑定の世界的権威であるアメリカ宝石学会(通称:GIA)から、「スワロフスキージルコニアは最高級のダイヤモンドと品質は同等」と認定されているキュービックジルコニアもある。

これが今回の質問「キュービックジルコニア」の私たちの答えである。