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銀のインゴット投資

本日の質問

銀のインゴット投資は、金のインゴット投資よりも有益ですか?

今回の質問者は、個人投資家からの質問だ。

先物投資としての銀投資を考えているのか、或いは純粋に財産としてインゴットを購入したいのかは定かではない。

この質問を宝石商でも私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)にされたことに関し、私たちはこの方は大変センスが良い個人投資家だと思う。

投資のことは投資家に訊けといわれるように、地金のことは宝石商に訊いたほうが無難だからだ。

昨今、1gあたり1万円を超えたあたりから金地金の値上がりや金のインゴット投資が話題になっており、こういった質問も私たちに多数寄せられているのも事実だ。

この方は真摯に私たちイケゾに意見を訊いてきたので答えようかと思う。

それでは質問の本題に入りたいと思う。

まず投資の考え方にもよるかと思うが、投資で純粋に利益をあげたいのか、或いは資産保持という観点なのかによって返答は大きく異なる。

銀相場は金相場と違い、値上がり値下がりの幅が小さいため、銀先物投資で大きく稼げることはないだろう。

大局的に見れば「相場は安定している」といえるので、資産形成の長期取引としては優れている。

要約すれば銀の相場は金相場とは違い、比較的安定しているので伝統的な安定資産といえるわけだ。

当然のように値動きが小さい安定資産ということは小資本では大きく儲けることはできないため、儲けるためには大きな資本が必要になってくる。

いわゆるスケールメリットがモノをいう薄利多売のビジネスに似ているともいえよう。

ただ一般的に「安全資産の価格が上がればリスク資産の価格は下がる」ものだが、昨今はそうではない。

金相場が良い例だと思う。

銀は『貴金属』の特性も持っているが、電子機器に活用される『産業用』特性も持っている。

産業特性があるということは好景気不景気、各国政府の通貨政策によって価格の乱高下があることは肝に銘じておくべきだろう。

銀相場においては、この二面特性を考慮する必要がある。

これは白金と呼ばれるプラチナも同様である。

そのうえで「資産」として銀のインゴットを購入することを考えているのであれば、それは「YES」だと思う。

インゴットを購入される方には二通りの考え方がある。

お金(貨幣)が暴落した場合、銀のインゴットの評価基準は「その時点の銀相場での判断になる」ため、為替相場に影響されにくいというものがある。

極端な話、日本円が暴落した場合、銀のインゴットを米ドルで換金すればよい。

そして換金した米ドルを米通貨用の銀行口座に預けて、日々の生活をクレジットカード決済(引き落としは米ドル通貨用口座)で澄ませば、資産の目張りはなく、むしろ通貨政策により、資産が増えているということになる。

資産防衛の一環として銀のインゴットは有益なのだ。

もう一つの考え方が資産形成という観点に重点を置いた場合だ。

金が1g1万円と考えた場合、1kgの金のインゴットは1000万円である。

一般人が購入するには高嶺の花ではあり、多少リスクがある資産であることは間違いない。

対する銀は1g100円と考えた場合、1kgの銀のインゴットは10万円である。

決して私たちが買えない金額ではない。

そこで毎月10万円分の銀のインゴットを購入すれば、年間120万円相当の消費貯蓄(動産)ができる。

毎年12kg分の銀のインゴットを購入し、それを30年間続けた場合、その資産は3600万円になる。

もちろん個人が銀を売却する場合、購入時に消費税を納税済みなので納税義務はない。

受け取った消費税の金額にかかわらず、そのまま「利益」として受け取ることができる。

消費税の増税を見込んだ場合、現物の保有は金額が大きければ大きいほど有益である。

文字どおり現物保有の銀のインゴットは、もしものとき自分を助ける虎の子と成りえるわけだ。

ちなみに銀のインゴットの相続及び譲渡は相続税や譲渡税がかかる。

その対策として、田中貴金属等が実施する「銀のインゴット積立投資」に関して自分名義の口座ではなく、子ども名義の口座をつくり、毎月の支払いは自分たちの口座から引き落とすことにより、相続及び譲渡に関するできるかぎり不要な税金を発生させない方法もある。

今更ではないが本物の投資家は「リスクが高い金のインゴット」ではなく、値動きが極端に少ない安定資産である銀のインゴットの積立投資を行っている。

値動きが激しい金のインゴットはもはや安定資産ではないというわけだ。

本当の安定資産とは、値動きが少ない銀のインゴットの積立投資といえる。

値動きが小さい=安定資産という考え方こそ「有事の際の安定資産」となり得るわけだ。

以上が今回の質問「銀のインゴット投資は、金のインゴット投資よりも有益ですか?」の私たちの答えである。