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12月誕生石のタンザナイト

本日は、タンザナイトのわが国においての誕生石の位置づけを語りたい。

これは誕生石にこだわる方、またその購入において意外にも重要事項ともいえるので最後までお目を通してもらえば幸いだ。

本日の質問

ピアスを贈られたのですが、タンザナイトは12月の誕生石なんですか?

今回の質問者は「誕生日にタンザナイトのピアスを彼氏から贈られた女性」から質問を頂戴した。

この女性は12月の誕生石は「トルコ石(ターコイズ)」ではないかとの質問だが、これはこれでじつのところ正解であり、決して間違いではないと言える。

なぜなら12月の誕生石といえば、イケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)が身を置いている宝石業界では「タンザナイト」ではあるが、一昔前までは「トルコ石(ターコイズ)」「ジルコン」であった。

じつは誕生石は各国によって位置づけが多少異なる。また誕生石の変更がなされたいうこと自体、長い歴史に裏打ちされるほど奥深い概念が存在するわけでもない。

読者諸君も察しのとおり、誕生石は国際基準(グローバルスタンダート)で統一されているわけではなく、その国の宝石業界の「思惑」「利益構造」によって選定されている。いわば宝石業界の都合による。

早速だがタンザナイトの歴史について語ろうかと思うが、まずは「タンザナイトの価値について」を読まれていない方は知識を深めるうえで是非とも読んでもらいたい。

ところでタンザナイトの産地は、アフリカ大陸「タンザニア共和国」にある。

タンザニア北部にあるメレラニ鉱山は、タンザナイトが商業用に採鉱されている唯一の地域であり、読者の諸君が想い描くような過酷な鉱山風景ではない。

メレラニ鉱山の表面は草で覆われた丘や茂み、樹木が所々に見える牧歌的な風景だ。

数千人もの炭鉱労働者が働くのは、その鉱山から地中深く100メートル以上ある採掘場だ。

大がかりな機械作業のもと、この地中深くからタンザナイトの原石は採掘されるわけだ。

鉱山というよりはメレラニ鉱床といってもよく、その鉱床から採掘されるタンザナイトの品質は紛れもなくロイヤルブルーサファイアを超えるほどの美しさがある。

1967年に発見されたタンザナイトは、鉱物学の正式名称「ゾイサイト」として学識登録されているが、宝石学では原産地タンザニアに敬意を込めて「タンザナイト」と命名されていることはご存じのとおりだ。

このタンザナイトを国際的に広めたのが主要な販売会社であったティファニー&カンパニーだ。

ティファニーは、1968年にタンザナイトの販売促進のため、シンデレラ物語にも登場しそうなロイヤルブルーサファイアのようなビロードブルー、10ct以上の大きな宝石が良心的な値段で買えるなど大々的な宣伝キャンペーンを展開し、タンザナイトはティファニーの思惑どおりに米国人、とりわけ米国女性に一大センセーションを巻き起こした。

Tiffany & Co

それはオードリー・ヘプバーン主演の「ティファニーの朝食を」と同じような夢と憧れをティファニーは米国女性に与えたわけだ。

参照元:Bettmann/Getty Images『ローマの休日』(1953)より。

その結果、米国宝石業界において12月の誕生石は「トルコ石(ターコイズ)」「ジルコン」ではなく、「タンザナイト」という位置づけになったというわけだ。

これはもちろん米国宝石業界の意向であり、ティファニーの影響が大きいといえよう。同様に日本の宝石業界も米国宝石業界の誕生石を模しているので、12月の誕生石はタンザナイトになる。

最後にこれは余談ではあるが、2009年2月NYにて開催されたサザビーズのオークションでは49.04ctものタンザナイトの裸石が31,250USD(約280万円)にて落札されている。

それ以降、タンザナイトの価値は右肩上がりだ。今では49ctものであれば、間違いなく800万円前後の落札価格になるといっても過言ではない。

私たちイケゾでは、世界中のオークション会社の動向を日々チェックしている。

本記事を読まれ、価値相応分のタンザナイト(裸石)をご購入の予定の方は、私たちイケゾに連絡頂ければ予算に応じての「最高品質のタンザナイト」をご用意させて頂くこともやぶさかではない。

私たちイケゾの作品であるが、高級オークションに出品する前にメルマガでの購入告知を行う場合があるので、是非とも王の名を冠する宝飾家メルマガ登録(無料)されることをおススメする。