アンティークジュエリーとは?

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本日はアンティークジュエリーという概念について語りたい。

わが国のジュエリー市場は、19世紀の文明開化(明治時代)に花咲いた遅咲きの市場といえるが、世界の宝石業界全体から考察しても若い市場だ。

本日の質問

英国と東京のアンティークジュエリーの価値の違いを教えてほしい

今回はアンティークジュエリー好きな女性からの質問だ。

夫の海外出張により英国(イギリス)にしばらく住むことになり、英国(イギリス)と東京とでは宝石文化的な違いがあるかと思うので、とりわけアンティークジュエリーの価値の違いを教えてほしいとのことだ。

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早速だがアンティークジュエリーの概念について語ろうかと思う。

アンティークジュエリーの一般的な概念として、製作時から100年以上経過したジュエリーやアクセサリー、すなわち今から100年以上前のジュエリーやアクセサリーを宝石業界では「アンティークジュエリー」と呼んでいる。

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アンティークジュエリーといえば西洋的なイメージが強いが、発見された国や時代は一切関係なく、欧州やアジアふくめて100年以上前の時代であれば、アンティークジュエリーとされる。

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100年以上前のアンティークジュエリーのダイヤモンドは、ダイヤモンドの研磨技術は未熟であったことから、現代のダイヤモンド等級(GIA等級)は一切通用されず、これらのダイヤモンドは「オールドカット」として歴史的価値から判断される。

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事実、こういった「オールドカット」を使用したアンティークジュエリーは富裕層からの需要が高く、海外高級オークションの代表格ともいえるSotheby’s(サザビーズ)とChristie’s(クリスティーズ)では高値で競り落とされる傾向性がある。

今回、イケゾエ宝飾家ではアンティークジュエリーに興味ある一部の読者諸君のご要望に応えさせてもらった。

というのもジュエリー業界のブラックボックスと銘打ち「海外高級オークション落札リスト」を公開しているので、落札価格等を確認してもらえれば幸いである。

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さて話を元にもどすが、アンティークジュエリーの年代確認は製造時の歴史的的背景から考察する場合と製造年月日を記載したホールマークから歴史家もしくは専門家が判断することが多い。

とくに気を付けなければならないのは、ヴィンテージジュエリーの存在だ。

現在から100年以内に製作されたジュエリーは、宝石業界では「ヴィンテージジュエリー」と呼ばれる。

アンティークジュエリーを安く購入する方法としては、制作から90年たったヴィンテージジュエリーを購入し、10年間所有することでヴィンテージジュエリーからアンティークジュエリーに格上げ(カテゴリーアップ)する方法がコレクターの中でも知られる。

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ヴィンテージジュエリーからアンティークジュエリーへの格上げだが、そもそもコレクターは「自分のコレクション」としてアンティークジュエリーを購入するため転売目的(もしくは投機目的)としては購入することはないので、この方法を時間とともに楽しむ人たちが多い。

ここで読者諸君がアンティークジュエリー購入にあたって、一番気を付けなければならないのは制作年代を誤り、ヴィンテージジュエリーを「アンティークジュエリーとして購入してしまう」ことではない。

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というのも安直な考えではあるが、仮にアンティークジュエリーとしてヴィンテージジュエリーを購入してしまったとしても、時がたてばヴィンテージジュエリーはアンティークジュエリーに格上げされるので問題はないからだ。

読者諸君が一番気を付けなければならないのは、リプロダクションジュエリーだ。

リプロダクションとは「再制作」という意味であり、アンティークのデザインを真似て作られたジュエリーであり、通常は「アンティークスタイル」と表示販売されているが、悪意あるものは故意に「製作年代を偽装」している場合もある。

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その場合も私たちのような専門家がみれば、宝石のカットや金属の留めなどの細部や状態などから、アンティークジュエリーの「本物」「偽物」を見抜くことは容易であるので安心してもらいたい。

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そろそろ本題のイギリスと東京のアンティークジュエリーの違いについて述べる。

「イギリス及び海外では古いものに価値を見出し、日本では古いものは価値を下げる」といわれている。代表的なものに建築物がそれにあてはまる。

海外では古い建築物を大事にすることから、海外の町並みは大変美しい。

一方でわが国日本はそうではなく、古い建築物に関しては歴史的価値があろうがなかろうが取り壊す傾向性が高い。

また50年以上たった不動産に関しては固定資産税が2倍になるという可笑しな税制がある国だ。

海外は2倍どころかむしろ減税し、減税した金額分を保守費用に使えるようにしており、これほどまでに海外と日本とでは古いものに関する価値観が大きく違う。

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アンティークジュエリーにおいても同様であると考えたほうがよく、価値あるアンティークジュエリーを求めるのならば英国(イギリス)で購入するのではなく、むしろ明治以降に輸入されたジュエリーを日本で購入したほうが無難であろう。

総じてアンティークジュエリーの価格は、ジュエリーが製作された時代や素材、さらにジュエリーの状態によって大きく異なる。

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当然のように流通市場での流通量が少ない古い時代のアンティークジュエリーは希少価値が高く、ゴールドやダイヤモンド、希少石(例えば非加熱のビルマ産ルビーやサファイア)などの素材が使用され、所有者が有名であったり、デザイン性に優れているジュエリーであればあるほど取引価格は高くなる。

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アンティークジュエリー購入にあたり、一番気を付けなければならないのは、リプロダクションジュエリーであることは先ほど述べたとおりだが、品質的に気を付けなければならないのはアンティークジュエリー本体に破損やキズがあるかどうかだ。

100年前のジュエリーゆえに修復が不可能な場合、取引価格にも大きく影響するので肝に銘じておいてもらいたい。

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とくに芸術的価値が高く、歴史的背景のあるアンティークジュエリーであれば、コレクター間で高値で取引されることもしばしばある。

以上のことからアンティークジュエリーの価格交渉は「時価」に近いので、素人がいきなり価格交渉及び取引交渉はしないほうが良い。

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ジュエリーブランド「IKEZOE GALLET&ROMEO(イケゾエガレ&ロミオ)」成立に至るまでのブランドストーリー。二人の王の名を冠する宝飾家が歩んできた歴史を紹介。
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