
宝石の代表格ダイヤモンドの4C表記について本日は諸君と語ろうと思う。
質問者:ダイヤモンドの4Cとは具体的に何ですか?
平たく言えば、ダイヤモンドの4C表記とはダイヤモンドの資産価値基準のことである。留意点として4Cはダイヤモンドの美しさの価値を数字により具現化したものであり、価額帯を表記したものではないことだ。価額を明記したものとしてはラパポートダイヤモンドレポートというダイヤモンドの卸売相場指標がある。

永遠の愛という4月の誕生石の石言葉で名高いダイヤモンドであるが文字通り永遠の価値としてダイヤモンドは動産資産の一角を担ってきた歴史がある。
ダイヤモンドがお金に準じる資産という観点から、4C表記はダイヤモンドの価値を図るうえでは必要不可欠な基準といえよう。

4Cとは、Clarity(クラリティ/等級)、Color(カラー)、 Cut(カット/仕上げ)、Carat(カラット/重さ) と英語表記のそれぞれの頭文字のCをとって4Cと呼称されているダイヤモンドの国際的資産価値基準である。
一体どこの誰が決めたのかといえば、宝石鑑定機関で名高いGIA(米国宝石学協会)が定めたダイヤモンドの価値基準である。

なぜならダイヤモンドも含めたGIAの宝石鑑定能力は業界のトップクラスであり、現在のところ世界的にも宝石学の最高峰ともいえる鑑定基準である。そのため現在のダイヤモンド評価は、このGIA基準によって認定されているのである。
ダイヤモンドにおいては58面体(ラウンドブリリアント)というカットを基準に評価は査定されるのだが、近年はこの4C基準以外に 外観のダイヤモンド自体の美しさを価値として評価にするという動きも一部みられる。

また0.17ct以下の小粒のダイヤモンドはメレダイヤモンドとよばれ、 宝石をジュエリーに仕立て上げる際の脇石(飾りダイヤ)として取り扱われる。

基本ダイヤモンドは、4Cに基づいて無色透明ほど価値が高いのだが、なかにはカラーダイヤモンドと呼ばれる価値のあるダイヤモンドもある。 有名なカラーダイヤモンドとしてはカナリーダイヤモンドとブルーダイヤモンドの存在だ。
2011年にスイスのジュネーヴにて競売大手サザビーズが販売した110.3カラットのイエローダイヤモンド「サンドロップ(太陽の雫)」の落札価額はイエローダイヤモンドとして最高額の8億4000万円の値が付いたほどである。

サンドロップは、Clarity(クラリティ/等級)はVVS1、Color(カラー)はヴィヴィッドイエロー、Cut(カット/仕上げ)はファンシーカット、Carat(カラット/重さ)は110.3カラットであるとGIAが認定している。
また2016年にスイスのジュネーヴにて競売大手クリスティーズが競売に賭けた14.62カラットのブルーダイヤモンド「オッペンハイマー・ブルー」は約64億円で売却されている。これはブルーダイヤモンドの落札価額としては史上最高額である。
ダイヤモンド資産価値は4Cに基づくものであるが、ダイヤモンドも市場に流通する動産資産ゆえに例外なく相場というものが存在する。
これを私たちジュエラーの業界ではラパポートダイヤモンドレポートと呼称しているダイヤモンド卸売相場表(価額指標)である。

この相場表は毎週更新されるためダイヤモンドの価値基準の担保が成立しているともいえる。 現在、ダイヤモンドの価額指標においては様々な試みがあるがこのラパポートレポートを超える価額指標が存在せず、ラパポートが業界の卸売価額の基準となっているといえよう。

要約すればダイヤモンドの4Cとはダイヤモンドの価値基準であり、それはGIAにより厳格に評価が定められている。そしてラパポートダイヤモンドレポートにより市場相場の透明性が確保され公共性を帯びているという事である。
この二大ブランドにより、ダイヤモンドの資産価値は厳重に守られている。
本日は知り合いの神戸のダイヤモンド商との商談がある為、このあたりで失礼する。

