[PR]Amazon公式通販|在庫がなくなり次第 販売終了 >>

サファイアの買取相場と価格

今回はサファイアの買取相場と価格について語りたい。

本日の質問

サファイアの買取相場と価格はお寿司屋さんみたいに時価なんですか?

確かに一昔前では宝石(サファイア)の買取相場と売値は、銀座のお寿司屋のように「時価」だったときがあった。その一昔前というのは、インターネットやSNSが登場し普及するまでの期間という意味なので、時間軸でいえば西暦2000年ぐらいまでの話だ。

今では多くの宝石商は「時価」、すなわち二束三文でサファイアを買取ることもなければ、二束三文のサファイアを素人相手に高く売ることはない。

というのも宝石商を目指している諸君は、どうしても心に留めてもらいたい事がある。

近年、日本人の所得は『二極化』が進み、いわゆる時価のお寿司屋や高級料亭という存在が珍しくなってきている。いわゆる消費力が旺盛な中間所得層が減ってきているのだ。

その代わりに誰でも味わうことができる100円高級寿司というものが登場し、寿司業界のシェアを圧巻している。正確なデータではないが、飲食業界における寿司市場はおよそ5000億円市場である。

上記は回転寿司や宅配寿司の大手10位の売上データだ。

ここには個人経営の時価の寿司屋はデータには反映されていないが、日本中の個人経営の寿司屋を集めた売上は500億円もないだろう。

私たちが何が言いたいかといえば、宝石の「時価」と寿司の「時価」はよく似ているということだ。

回転寿司や宅配寿司の台頭がなぜ起こったのか、それは実に簡単である。寿司屋が「時価」販売、暴利を得ていたからだ。

誰だって適正な価格で寿司を味わいたい、そこに目を付けて台頭したのが回転寿司や宅配寿司である。結果、「時価」販売をしていた寿司屋の多くが寿司市場から姿を消した。

適正価格での販売、宝石商を目指している諸君は是非ともこの言葉を胸に刻んでもらいたい。いわゆるバブルがはじける前までの宝石商は確かに時価商売をし、暴利を貪っていた。

その結果どうなったか。バブル絶頂期の宝石市場は3兆円の市場を誇っていたが、今では1兆円あるかないかの市場へと規模が縮小した。

この経緯から宝石産業が斜陽産業といわれる所以だが、私たち兄弟としては「バブル絶頂期の3兆円市場」が異常であって、少子高齢化というのも影響はあるかもしれないが、本来の宝石市場は1兆円市場だと思っている。

つまり10万円の適正価格の宝石を30万円で販売していた時期がバブルの時であり、そういう販売方法を経営主体としていた宝石商は、残念ながら市場によって淘汰されている。

具体的にはこの数十年間で、3万社あった宝石商が1万社になったわけだが、およそ2万社が宝石のぼったくり販売をし、すでに倒産の憂き目にあったというわけだ。

宝石も寿司同様に「ぼったくり」をしている宝石商、いまだに明朗会計を導入していない宝石商は淘汰される運命にある。だからこそ宝石商を目指す諸君は、ぼったくりをすれば長くは続かないということを心に刻んでもらいたい。

そうしなければ寿司業界でいうところの回転寿司や宅配寿司、いわゆるスーパーブランドにそのシェアを食われかねないからだ。

宝石を購入する層(富裕層)から見放されたとき、宝石業界は本当に意味で斜陽産業になる。そうならないためにも宝石商一人ひとりの倫理観が問われるわけだが、大変ありがたいことにインターネットやSNSの普及により、「宝石の適正値段」が誰でもわかる情報のオープン化が実現している。

今では多くの宝石商が適正価格で堅実的な商売をしているので安心してもらいたい。

さて前置きが大変長くなったが、「サファイアの買取相場と価格」の本題に入りたいと思う。

サファイアの買取相場を検索すれば、その買取業者のサイトがでてくるのでどの業者が良いかというのは、業界との長年の付き合いがあることからここでは省略させてもらう。

先ほども述べたとおり、今はインターネットやSNSの普及により、「宝石の適正値段」が誰でもわかる時代だ。

そこで気になる点が「サイトに掲載している相場表どおりの価格で適切に買取ってくれるのか?」「サファイアを業者に送付したあと二束三文で買い叩かれるのではないか」という懸念だろう。

この点に関しては確かにそれはあるといえる。

というのもサイトに掲載しているサファイアの買取相場や価格は、完全体(いわゆるキズやクラックのないパーフェクト等級、いわゆるダイヤモンド等級でいうところのIF等級)だからだ。

実際、そういったサファイアのパーフェクト等級(IF等級)はこの世に存在はするが、まず一般市場に出回ることはない。いわゆる富裕層市場(海外高級オークション等)での流通が主軸となる。

従って「買取査定」という部分でいえば、加点査定ではなく、減点査定のため、必ず買取相場及び価格以下での買取となること読者の皆には心に留めてもらいたい。

私たち兄弟もジュエリー作品制作後、在庫となった良質なサファイアは業者に買取ってもらっているが、ここはプロフィッショナル同士の商談とあって、多少なりとも駆け引きがある。

相手も「良質なサファイアを安く買い取り、高く売りたい」となれば、私たちも「できるだけ適正価格で買い取ってもらいたい」との思惑があるからだ。

その結果、プロフィッショナル同士の価格の落としどころというものが存在し、お互いが損をしない価格での取引となる。これがサファイアの相場、あまねく言えば宝石の買取相場というものだ。

買取業者と商談を重ねた経験則からいえば、プロフィッショナルの私たちイケゾエガレ&ロミオでさえ、一度たりともサイトの公開相場での売却に至ってはいないということだ。

だいたい2割から3割安の価格での買取価格で落ちついているといえる。むしろサファイアを含む宝石の買取業者は、安く買取って高値で販売し、儲けをだすことが主体業務だ。

彼らは宝石の仲卸市場で買取ったサファイアや宝石を一度に何百個と販売するわけだが、1個(1ピース)当たりの利益はたかが知れている。

いわゆる「薄利多売」といっても良い。だからこそ買取業者は過去の相場データから照らし合わせ、減点査定と組み合わせた結果、ぎりぎりの価格での買取となる。その結果、サファイアに関しては「サイトに掲載している相場表以下の買取金額」となるわけだ。

よくあるパターンが「ヤフオクやメルカリで安くサファイアを購入し、それを買取業者に持ち込んだところ、買値以下の金額で大損をした」というパターンだ。

それぐらいながら素人の勉強代ということで容認する者もいるが、利益や儲けにこだわるあまり自分でヤフオクやメルカリで販売し、「ぼったくり値段」で販売する者も少なからずもいる。

宝石の素人がよくやってしまうところだが、結果的にそれは「宝石商はぼったくり、怖い」「二束三文の宝石を高値で買わされた」という宝石業界にとってネガティブイメージを生み出してしまう。基本的に私たち宝石のプロフィッショナルはそのような暴利を貪るようなことはしない。

理由は簡単だ。時価販売や言い値販売をすれば事業として長く続かないからだ。宝石商は丸儲けではなく人儲けという人間関係を重視している。

以上のことから読者のなかにサファイアや宝石の買取を希望している方がいるならば、買取よりも信頼できる宝石商に委託販売することをおススメする。

もしくはご自身でジュエリーに仕立て上げてからヤフオクやメルカリのCtoC市場で適正価格で販売されるほうが良いだろう。