今回の質問者は、女子高校生からの質問だが、内容が非常にユニークなので答えることにした。
金運を上昇させお金持ちになるためにシトリンを購入するという購入動機は、とても素直ではあると思うが「お金持ちになる」と「シトリンにその効果があるか」という問題は、まったく別問題だと思う。
それでは本題に入りたいと思う。
お金持ちになりたい、お金持ちになる方法というのは大抵の人が思うことだろう。
貧乏(低所得)というのは生きていくうえで「行動の自由が狭まり不便」になるので、精神的にも辛い部分があるのは周知の事実だ。
私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)も青年期はお金に大変困ったものだが、大抵の若い人たちは親御さんが裕福ではないかぎりお金がないものだ。
そこで低所得のためにパワーストーンに依存するというのは如何なものかと思う。
そもそも11月の誕生石シトリンは鉱物学的にクォーツ(水晶)の一種であり、イエロー系統のクォーツのことだ。
イエロークォーツでもあることから和名は「黄水晶」とも呼ばれる。
その鮮やかな黄金色と輝きから富と豊かさの象徴「黄金(ゴールド)」を彷彿させるだけでなく、風水学上、黄色は富と豊かさの象徴とされることから、中華圏及びアジアを中心に紀元前から人類はシトリンを身に着けてきた。
風水師や占い師といったパワーストーン業界において、シトリンは金運を象徴する宝石かもしれないが、宝石学においてはシトリンは11月の誕生石にすぎない。
鉱物学においてもシトリンはクォーツの亜種「イエロークォーツ」にすぎないのだ。
科学的に立証されているように、そこに金運を招き寄せる神秘的な力などは一切存在しない。
お金持ちになるためにシトリンのジュエリーやアクセサリーが必要、これはパワーストーン業界の販売戦略なのだ。
しかもシトリンが高価であればあるほど効果があると謳うのは、まさに無知に付け込んだ霊感商法であり、読者諸君は注意しなければならない。
世の中の全裕福層はシトリンの力でお金儲けができたわけではないからだ。
宝石は高ければ高いほど価値があるというわけではないからだ。
一般に宝石の価値は希少性と品質、そしてブランドに左右されるといってもよい。
読者諸君がお金持ちになりたいため、縁起を担ぐという意味合いからシトリンのジュエリーを身に着けることは、まったくもって個人の自由だが「シトリンそのものにそういった力がある」と思ってはいけない。
宝石に「運命を切り開く力」があるのではなく、お金持ちになりたいと切実に思う個人の執念(或いは一念)による行動力こそ、そこから生まれる人間関係が自分自身の運命を切り開く力があると私たちは思う。
パワーストーン業界の販売戦略はともかくとして、シトリンという宝石はお守りではなく、悠久の歴史と物語を有する確かな立ち位置にある宝石である。
要約すれば「宝石=パワーストーンではない」ということだ。
残念ながら世の中一般は「宝石=パワーストーン」という解釈のもと、宝石を販売する怪しげな宝石商たちが雲霞の如く多い。
これは非常に嘆かわしいかぎりである。
私たちイケゾにいわせれば「お金持ちになりたい」のであれば、自分で事業を起こすか、出世をするか、投資をするか、簡単に言えば汗水流して懸命に努力してお金を稼ぐという選択をしたほうがよいと思う。
それこそパワーストーン業界に騙され、高価なシトリンジュエリーを購入することはお金の無駄使いといわざるえない。
むしろそのお金を貯金すれば小金持ちにはなるだろう。
宝石商としての経験則からお金持ちになる唯一の方法は、ファッションとしてのシトリンジュエリーを購入するならいざ知らず、「シトリンを買えばお金持ちになりますよ」的な霊感商法とは縁を切り、無駄金を使わないということだ。
ちなみにイケゾのジュエリー作品にはシトリンを豪華に使用しているジュエリーもあるので、興味がある方はメールを頂ければ幸いだ。
以上が今回の質問「お金持ちになりたいです。シトリンはパワーストーンとして効果がありますか?」の私たちの答えである。
文:イケゾエガレ 編集:琳派編集部
お金持ちになりたいです。シトリンはパワーストーンとして金運の効果がありますか?