本日はエメラルドの価値と魅力、そして注意事項について語りたい。
まずエメラルドとはベリル(緑柱石)という鉱石からカッティングされる宝石であることはご存知だと思う。
名称の由来であるがエメラルドはサンスクリット(古代インド語)の緑の石を意味することに由来する。それは古代インダス文明からエメラルドの価値は認知されていたことを示唆しており、数千年という悠久の時間を歩んできた宝石といえる。
それゆえにエメラルドは世界四大貴石(ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド)の一つとしてその地位に現在も君臨している。
さてエメラルドの価値基準であるが大きく分けて、クオリティ、カラー、カット、産地の4点に分けられる。
まずクオリティ(品質)であるが加工されたエメラルドの内部にクラックやインクルージョンといわれる小傷と内包物が少ないエメラルドであればあるほど市場での評価は高い。
次にカラー(色彩)であるがエメラルドはその美しさと輝きを高める為、古来から伝統技法としてエンハンスメントといわれるオイル含浸が施されている。
これは市場では容認されている技術のため、さほど価値評価に影響を与えることは少ない。むしろ天然のベリルの結晶体をそのままカットした、いわばカッティング以外人の手が入っていない天然色のノンオイルエメラルドは最高級品と思って頂いても差し支えない。
エメラルドは光を反射するほどの透明度が高くグリーンの色彩が鮮やかなルースほど市場価値が高く発色の薄いエメラルドよりも色の深みのあるエメラルドの方が価値が高い。
なかにはエメラルドのような緑のベリルでもあっても、エメラルドとしてではなく「グリーンベリル」として取り扱われることがあることも留意してほしい。
これはエメラルドとグリーンベリルは鉱石として同じだが、発色が構造的に大きく違うためである。
次にカット(形状)であるが形によってエメラルドの価値が左右することもある。
オクタゴンカットもしくはエメラルドカットといわれる八角形の形のエメラルドが市場ではやはり価値がある。
なぜならカッティングの名称に宝石の名前が使われるほど、このカットはエメラルドにとって一番ジュエリーに適した宝石の形なのである。
つまり金細工職人がジュエリーメイキングをする際に加工しやすいということである。石留の際にエメラルドが割れにくいカットがこのエメラルドカットである。
エメラルドの中にはカボションカットという表面が球体のエメラルドも存在するが、これは透明度の少ないエメラルド程、加工される傾向にある。
もちろんエメラルドカットのエメラルドよりも価値は低い傾向にある。
しかしカボションカットの中でも、キャツアイ効果のあるエメラルドキャッツアイやトラピッチェエメラルドのような スター状の縞模様があるエメラルドは非常に希少価値が高い。
最後にエメラルドの産地である。
産地がエメラルドの資産価値に強く影響する理由は発掘されるエメラルドの品質が大きく関与している。良いエメラルドが発掘される産地のエメラルドは宝石市場の評価が高い。
さてのエメラルドの産地だが、大きく分けてアフリカのザンビア産と南アメリカのコロンビア産に分けられる。
どちらのエメラルドが価値があるのか?
それはコロンビア産である。コロンブスによるアメリカ大陸発見後のエメラルドの価値はコロンビア産エメラルドの存在なくしては語れないだろう。
世界有数の最高品質のエメラルド産出してきたのがコロンビア産である。
スペイン人のコロンビア統治により、スペインの宝石商たちによってコロンビア産エメラルドは、大量に発掘され欧州の王侯貴族に広まった歴史がある。
いわばエメラルドにおいてブランド化された産地こそがコロンビア産なのである。
なおコロンビア産のエメラルドは発掘する鉱山にもよるのだが、内包物の少なく純粋な美しいエメラルドグリーンが特徴である。
上記の世界四大貴石の一つであるエメラルドの資産価値は、色彩と透明度、カット、産地によって基準が取り決められ、今日まで厳格に守られている。
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本日はエメラルドを使用したジュエリーデザイン業務のため、このあたりで失礼する。
エメラルドは、どこに価値があるのかを具体的に教えてください