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ラボグロウンダイヤモンドの価格

今回の質問者は結婚指輪にラボグロウンダイヤモンドの指輪を購入するかどうかを悩んでおられる30代男性だ。本題に入る前に「ラボグロウンダイヤモンド」について諸君との知識を共有しておきたい。

ラボグロウンダイヤモンドとは、宝石研究室で天然ダイヤモンドと同じ工程及び過程で育てられたダイヤモンドのことだ。

さてここからは本題に入ろうかと思う。

本日の質問

ラボグロウンダイヤモンドの価値と価格を教えて下さい

一般的なダイヤモンドは、採掘における環境破壊と児童労働を伴うことで知られ、ダイヤモンド原石の販売利益はテロ組織や反社会団体の資金源となることもある。

そのようなダイヤモンドは「紛争ダイヤモンド」と呼ばれ、血塗られたダイヤモンド「ブラッドダイヤモンド」として世界広くに知られている。

確かにテロ組織や反社会団体のマネーロンダリング防止のため、紛争ダイヤモンドの流通防止を謳うダイヤモンドの国際的な流通管理システム「キンバリープロセス」は存在するが、これは抜け穴だらけのシステムであり、もはや流通管理の機能を果たしていない。

そんなダイヤモンド業界のブラックイメージを覆したのが「ラボグロウンダイヤモンド」だ。

ラボグロウンダイヤモンドは紛争地域とは関係なく、環境破壊や児童労働を伴うことがないため、クリーンなイメージ(グリーンイメージともいわれる)があり、今話題のSDGsの適応した地球と人類に優しいダイヤモンドである。

グリーンイメージが先行するラボグロウンダイヤモンドだが、天然ダイヤモンドと全く同じ成分であるため、一昔前までは区分ができず、宝石業界では天然ダイヤモンドとして流通していた「黒歴史」を持っていることを忘れてはならない。

宝石業界のイノベーションと鑑定技術の向上に伴い、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの判断が科学的知見により、容易に判断ができるようになった現在、世界中で「天然ダイヤモンド」と流通していたダイヤモンドが実は「ラボグロウンダイヤモンド」であったと判明した宝石業界を揺るがした大事件があった。

その結果、多くの宝石商が倒産の憂き目にあった。

そのことから宝石業界では、研究室生まれのラボグロウンダイヤモンドを「合成ダイヤモンド」と呼び、そうでないダイヤモンドを「天然ダイヤモンド」と呼ぶことで研究室生まれと鉱山採掘のダイヤモンドを明確に区分している。

ラボグロウンダイヤモンドの価値と価格だが、まず「プラダのラボグロウンダイヤモンド」を読めば、我々が言いたいことが分かるはずだ。

昨今、超高級ブランドがラボグロウンダイヤモンドを採用したラグジュアリージュエリーコレクションを次々と発表している。

例えばイタリアの高級ブランド「PRADA(プラダ)」は、プラダカットと称するラボグロウンダイヤモンドを使用したラグジュアリーコレクションを発表しており、その販売金額は1点あたり1万ドル以上する。

ある意味において、天然ダイヤモンドよりも高額だ。

天然ダイヤモンドでは産出されない最高品質のダイヤモンドを製作できるのがラボグロウンダイヤモンドの利点だ。

超高級ブランドはイメージと同様に品質(クオリティ)を最も大事とする。

彼らが使用するラボグロウンダイヤモンドは最高品質であり、その製造にはかなりのコストがかかる。基本的にラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドの半分の価値で知られる。

これは希少性の違いが根底にある。

天然ダイヤモンドは、まさに絵画と同様に1点もの(世界で一つだけの存在)にあたるといってもよく、量産化が可能なラボグロウンダイヤモンドとはその部分で価格の差があることは否めない事実である。

とはいえ合成ダイヤモンドであるラボグロウンダイヤモンドに価値がないのかといえば、決してそうではない。

「合成石」のラグジュアリーブランドで知られる京セラジュエリーの「クレサンベール」は、合成石だから価値がないかといえばそうではない。

クレサンベールは京セラの「登録商標」ではあるが、これも研究室生まれであることからラボグロウンと呼んでも差し支えない。

クレサンベールの場合、研究室の高炉にて宝石結晶体を再結晶化して育てていくわけだが、宝石結晶体が宝石質となる確率は極めて低い。

そのことから量産品といっても、確率性をとれば天然に近い価格と価値になる。

セカンダリーマーケットでは、クレサンベールは天然ダイヤモンドのノーブランドジュエリーよりも高値で取引されているぐらいだ。ラボグロウンダイヤモンドも同様である。

ダイヤモンド結晶体が宝石質のダイヤモンドになるのは100個中数個だ。研究室で採掘するコスト(育成コストとも呼ばれる)を考えるならば、天然の半分の価値と価格となる。

これは確率と品質を考慮するなら妥当な価格なのだ。

量産化すればどんどん価格が下がるという専門家もいるが、これは天然ダイヤモンドを主として取り扱っている宝石商の一部願望であって、価格の下落にも育成コストの関係から限界があるのも事実である。

ちなみにノーブランドメーカーからラボグロウンダイヤモンドの1カラットの結婚指輪を購入すれば、購入金額は30万円前後になるかもしれないが、プラダなどのラグジュアリーブランドで購入すれば、現在のところ1万ドル以上になる。

極端な話ではあるが、すべてはブランド次第といっても過言ではない。

以上のことから、質問者の「ラボグロウンダイヤモンドの価値と価格」だが、ラボグロウンダイヤモンドのジュエリーは一概にいえないが、ブランド価値で取引価格が左右されるという事だ。