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婚約指輪の価額相場

本日は女性にとって最も大事なジュエリーの一つ「婚約指輪(エンゲージリング)」について論じる。

本日の質問

恋人からプロポーズのときに婚約指輪を受け取りましたが、 おおよその値段を教えてもらえますか?

まず指輪の値段であるがノーブランドの婚約指輪なのか、それともティファニーやカルティエ等々の有名処のラグジュアリーブランドの婚約指輪かによって金額は大幅に変わる。

どのくらい価格が異なるかといえば、同じ地金・天然ダイヤモンド等級であっても金額は数倍変わる。

読者諸君は信じられないかもしれないが、ジュエリーというものは「世界的ブランド」であるかどうかによって販売価格は大きく変わるものなのだ。

今回の質問者の婚約指輪の内訳は以下である。

【恋人から贈られた婚約指輪の詳細】
使用地金:K18WG(10.50g)
使用宝石:天然ダイヤモンド(等級:1.05ct、Dカラー、IF、Excellent)

婚約指輪の場合、結婚指輪と違ってダイヤモンドの品質によって、その価値は大きく左右される。

婚約指輪の相場は「給料の1ヵ月分から3ヶ月分の範囲内」とダイヤモンド業界最大手のデビアス社のイメージ戦略で謳われていた時期があったことから、それを真に受けて婚約指輪に相当金額分を充てる男性が世の中には多い。

愛する女性のためと聞こえの響きはいいが、冷静になればデビアスの販売戦略であると誰でも分かる。

その意味でデビアスの販売戦略は日本市場において成功したといえよう。

ちなみにデビアスの販売戦略から計算したところ、質問者の婚約指輪の価値は150万円前後と思ってよい。

これは婚約指輪が「ノーブランド」と仮定した場合であって、ラグジュアリーブランドの場合は300万円前後である。

婚約指輪は給料の3ヶ月分の論理を逆さにとれば、質問者の給料は1カ月50万円(或いは100万円)と推定することができる。

価値の根拠を推し量りたいのであれば、現在の恋人(将来の夫となる男性)の1カ月分の給料が上記の内容とおおよそで合致しているかどうかでわかるということだ。

ところで読者諸君は、私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)が容易に婚約指輪の価値が判断できたのか不思議でならないと思うが、これには明確な価値基準とも呼べるダイヤモンド指標があるからだ。

それがダイヤモンドの4C基準である。

読者諸君が婚約指輪(エンゲージリング)の価額帯を知りたいなら、まず結婚指輪のダイヤモンド鑑定書の内容を見れば、大体の価額がわかる。

ちなみに高価な婚約指輪にもかかわらず、ダイヤモンド鑑定書が付属しない婚約指輪は真っ当な宝飾店で購入した婚約指輪ではないことを理解した方が良い。

少なからずも宝飾店であれば、必ずダイヤモンドの鑑定書を付属した値段を提示するからだ。

ダイヤモンドの価値基準を決定づける4Cとは、大きさであるカラット(Carat)色彩であるカラー(Color )、透明度もしくは純度等級であるクラリティ(Clarity)研磨品質であるカット(Cut)の評価の事であり、共通するアルファベットのCの頭文字をとって業界では【4C基準】と呼ばれている。

私たち宝石商がダイヤモンドの値決めをする判定基準こそ、このダイヤモンドの4C基準である。

よくWebで見受けられるダイヤモンドの買取業者、ジュエリーの買取業者の買取基準たちが買取の判断としているのがダイヤモンドの4Cの基準であることは語らずに及ばずである。

以下がダイヤモンド4C基準の説明なので、読者諸君の参考になれば幸いである。

カラット(Carat)

カラット(Carat)=ダイヤモンドの重さの単位であり、1.00ctあたりの取引単価を「ガイ」と呼び、相場表に基づいてガイあたりのダイヤモンド単価を算出する。

基準値は1.00ct=0.20gである。

例えば1.00ctの評価額が300,000円だとした場合、0.20ctのダイヤモンドの評価額は以下となる。

300,000円×0.20ct=60,000円

0.20ctのダイヤモンド単価は60,000円となるが、ここから残りのカラー・クラリティ・カットの3C評価が反映され、実際のダイヤモンドの取引価格が確定される。

カラー(Color)

カラーとは文字どおりダイヤモンドの色彩表記であり、等級基準としてDカラーから始まり、Sカラーまで存在するが「無色透明」のカラー等級ほどダイヤモンドの全体価値が高くなる。

但しカラー等級のみ「一部例外」が存在する。それがビビットカラーを帯びたカラーダイヤモンドであり、ビビットピンク、ビビットレッド、ビビットブルー、ビビットグリーン、ビビットイエローといったカラー等級評価のカラーダイヤモンドは相対的に希少価値がある。

クラリティ(Clarity)

ダイヤモンドの透明度の等級評価であるFL(フローレス)、IF、VVS、VS SI、Iの6段階表記となるが、最高位等級であるFL、IF等級のダイヤモンドは非常に高価になり、安価なダイヤモンドはIクラス等級のものが多い。

カット(Cut)

ダイヤモンドのカッティングの等級評価であり、この等級に関してはダイヤモンド研磨技術と呼ばれる。昨今までは専門の研磨職人の「技」に大きく左右されていたが、AI等の自動レーザー研磨の登場により、研磨技術の熟練度が不要となったことから安定した等級評価が期待できるようになった。

等級評価としてはExcellent、Very Good、Good、Fair、Poorの5段階表記だが、カッティング等級はラウンドブリリアントカットのみ適用され、マーキス、ペアシェイプ、クッションなどのカットは評価基準の関係上から適応されない。

結婚指輪と大きく異なり、婚約指輪は結婚の約束(婚約)を証拠として男性が女性に贈るための指輪である。

プロポーズの際に「サプライズ」として女性を喜ばせるために贈るべき指輪であると間違った認識を男性だけでなく、女性がもっていることも大変残念な話であるが、これもまた事実である。

いわゆる「婚約指輪の定義」の勘違い」というものだ。

どこでどう婚約指輪の解釈が変わったのかはまったく定かではないが、そもそも「婚約指輪はプロポーズの際に贈らなくてもよい指輪」でもある。

婚約指輪は男性からのプロポーズを女性が受け入れたあと、二人で相談して宝飾店で購入することが最も良い。

「後購入」のほうが二人で婚約指輪の価格も共有できるだけでなく、女性が好むデザインの婚約指輪を身に着けることができるというメリットもある

女性にとって婚約指輪は一生に一度、愛する人から贈られるジュエリーでもある。

そして婚約指輪を身に着けるたびに「愛する夫からのプロポーズを瞬間的に思い出すのためのジュエリー」であり、あのときの幸福感を呼び覚ますための記憶の指輪でもあるのだ。

この観点を理解したとき「婚約指輪の価格」など大した意味をもたなくなる。

要約すれば西欧の諺にもあるように「愛に価格はつけられない」ということである。