今回の質問者は、インペリアルトパーズとピンクトパーズの裸石を購入するにあたり、どちらを購入しようかと迷っておられることから私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾ)にアドバイスを求めてきた宝石投資家の男性からの質問だ。
読者諸君はインペリアルトパーズとピンクトパーズの意味と価値、その違いはすでにご存じかと思うが、初めて本記事を目にする方もおられることから、改めて「インペリアルトパーズとピンクトパーズの意味と価値」を論じようと思う。
トパーズを論じるうえでカラーバリエーションや誕生石という内容は、Webで調べれば分かる範疇内なので割愛させて頂くのでご了承願いたい。
それでは本題に入りたいと思う。
トパーズの中でも最も価値があるとされるのが表題にもあるインペリアルトパーズとピンクトパーズだ。
鉱物学的に水酸基(OH)とフッ素(F)が含まれるトパーズは、現代宝石学では含有量によってOHタイプ、Fタイプに二分類される。
資産価値があるインペリアルトパーズとピンクトパーズは、OHタイプに分類されている。
水酸基が多いトパーズほど価値があるということだ。
オレンジ系統色(シェリーカラー)がOHタイプのトパーズの特徴としてあげられる。
どの宝石でもそうなのだが、人の手(宝石学の場合は『人為的』と称される)が施されていない完全な天然宝石は非常に価値がある。
簡単に言えば「加熱処理」をしていない非加熱のインペリアルトパーズは非常に価値が高い。
1ct平均100万円前後(ジュエリー価値)で宝石市場にて取引されているほどだ。
その次に価値があるのが非加熱のインペリアルトパーズを加熱した宝石だ。
それがご存じのとおりピンクトパーズである。
つまりピンクトパーズとは非加熱のインペリアルトパーズを加熱処理した宝石のことでもある。
表題の一つであるピンクトパーズの価値だが、非加熱のインペリアルトパーズの次に価値があるということだ。
取引金額も1ctあたり50万円前後で宝石市場にて取引されている。
注意が必要なのはコーティング処理、もしくは放射処理をして人為的に宝石色をピンクにしたピンクトパーズだ。
放射処理のピンクトパーズと加熱処理のピンクトパーズとでは、まず価値の意味も含めて大きくことなる。
加熱処理のピンクトパーズは、本来の力(色の起源)を人為的に引き出すための処理であり、自然が行うか人間が行うかの差だ。
一方の放射処理のピンクトパーズはそうではない。
放射処理のピンクトパーズは、ドーピング(付与された色の起源)を無理に付与した処理であり、天然色ではなく合成色ともいえる。これはミスティックピンクトパーズとしての価値がある。
放射処理・加熱処理とも宝石業界では認められている技術であり、もちろん何ら違法なことではない。
価値を論じるという意味では大きな差があるというだけにすぎない。
ちなみに表題の一つである「ピンクトパーズの意味」だが、ピンクの宝石は「恋愛関係」の石言葉が多いことで知られる。
とくにピンクトパーズの場合、その意味はトパーズの石言葉である追求から連想して「愛を探し求める」「愛を成就」という意味がある。
誕生石や石言葉は宝石業界の販売戦略のため、真に受ける必要はないものの、宝石の意味や歴史を知ることにより、博学豊かな宝石商として信用を勝ち取るうえでは有益なので、是非とも記憶に留めておいてほしい。
私たちのジュエリー作品にはピンクトパーズをふんだんに使用しているジュエリーもあるので、興味がある方はメールを頂ければ幸いだ。
以上が今回の質問「ピンクトパーズは価値がありますか?」の私たちの答えである。
ピンクトパーズは価値がありますか?