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3月誕生石のアクアマリン

某有名フリマで「アクアマリン」として購入した宝石が鑑別機関にて「ブルートパーズという悲しい鑑別結果でした」という内容を先日、ある読者からのメールを頂戴したので、この際アクアマリンについて触れておこうと思う。

本日の質問

超素人です。サンタマリアというアクアマリンは何ですか?

今回の質問者は「3月生まれの女性からサンタマリアアクアマリンとアクアマリンはどう違うの?」と質問を頂戴したので、まずアクアマリンの歴史について語ろうと思う。

アクアマリンは鉱物学でいえば、ベリリウム(Be)を含む六角柱状の鉱物であり、青色のベリル(Beryl)だ。

和名は藍玉もしくは水宝玉と呼ばれ、深い緑色は四大貴石の一つである「エメラルド」と呼ばれ、ピンク系統はモルガナイト、イエロー系統はヘリオドールと呼ばれる。同じベリル鉱石であれ、別々の宝石名で呼ばれるのが宝石業界の常識だ。

ちなみにアクアマリンの語源はラテン語のアクア(Aqua)、すなわち海水から名付けられており、海に投げ込むとその透明度から海水と同化することから、大航海時代は「海神のお守り」として大切にされてきた。

個人的にアクアマリンは採掘量が多いブルーサファイアやブルートパーズと比べても少ないことからブルーサファイアやブルートパーズよりも希少な宝石だと思う。

さてそろそろ本題に入ろうかと思うが、「サンタマリアアクアマリン」というのはアクアマリンのなかでも比較的サファイアの色に近いアクアマリンのことだ。厳密にはコーンフラワーサファイアの色に近いといえる。

サンタマリアアクアマリンの語源となったのは、ブラジルのサンタマリア鉱山で採掘される深いマリンブルーのアクアマリンからだ。

正確にはウルトラマリンブルーのサンタマリアであり、ロイヤルブルーサファイアとは違ったべつの美しさがあるものの、残念ながらサンタマリア鉱山の閉山により、もはやサンタマリアアクアマリンは『コレクター級のアクアマリンとなっている。

宝石業界の世界的な取り決めにより、現在ではマリンブルーのアクアマリンを一般的に「サンタマリア」もしくは「サンタマリア・アフリカーナ」と呼んでおり、業界としては「アクアマリンの最高品質」という基準を設けている。

以上のことから「サンタマリアアクアマリン」とは、マリンブルーの最高等級もしくは最高品質のアクアマリンのことである。

その他に特殊なアクアマリンとしては、シャトヤンシー効果』があるアクアマリンキャッツアイ、『アステリズム効果』があるスターアクアマリンというものがある。

読者諸君に心に留めて頂きたいのは、「アクアマリンキャッツアイ」「スターアクアマリン」ともにまず市場に出回ることのない希少アクアマリンということだ。

基本的に「宝石」として認められるベリルは、最低限の「透明度(クラリティ)」があることが条件となる。

優れた熟練の宝石研磨士(ラピダリー)は、原石からどのようなカットにするかを瞬時に見定める素晴らしい才能を持ち合わせるが、基本的に彼らは宝石の美しさを最大限に引き出すカットとして「オーバルカット」を念頭にカッティングを行う。

オーバルカットができなければ、エメラルドカット、ペアシェイプカットなど原石の特徴や形に応じてカッティングを決めていくわけだが、最終的なカッティングの行きつくところが「カボションカット」だ。

つまりカボションカットというのは、確かに行き場がなくなった宝石の最終的なカットともいえるカッティングではあるがインクルージョン(不純物)を最大限に活かしたカット方法でもある。

基本原則としてインクルージョンがある宝石は「評価」が低いものだが、キャッツアイ効果やスター効果(アステリズム)がある場合は「別格」である。

カボションカットにより、キャッツアイ効果やスター効果(アステリズム)が認められた宝石はインクルージョンなくしてその効果は存在しないため、率直に言えば「非加熱」であるという化学的証拠に基づく。

というのもインクルージョンは加熱処理を行えば消滅してしまうからだ。

大半の宝石は加熱処理によりインクルージョンを消滅させ、宝石の輝きを最大限に引き出すため、加熱処理せずとも宝石の輝きを最大限に引き出された非加熱の宝石の市場価値は非常に高い。

それゆえに非加熱の透明度の高いスタールビーやスターサファイア、スターアクアマリンなどは市場評価は非常に高く、併せてキャッツアイ効果があるアクアマリンキャッツアイ、エメラルドキャッツアイなども同様である。

さて前置きが長くはなったが、そもそも3月の誕生石アクアマリンは、宝石そのものに希少価値があるといえる。

仮に読者諸君が奇跡的にアクアマリンの別格であるサンタマリアアクアマリン、スターアクアマリン、アクアマリンキャッツアイ等に出会うことがあれば「宝石との出会いは一期一会」ともいえるので、予算や資金に余裕があれば迷わずに購入したほうが良い。

ちなみにこういった希少石が欲しい方、サンタマリアアクアマリン、スターアクアマリン、アクアマリンキャッツアイを求められている方は、鉱床からの入荷はメルマガでの告知のみになるので、是非とも王の名を冠する宝飾家メルマガ登録(無料)されることをおススメする。