本日は私たちが敬愛してやまない、あの世界的なシルバーブランドであるイタリアのラグジュアリーブランド「ブルガリ(Bvlgari)」について語りたい。
冒頭でも述べたが私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)は、ブルガリのデザインには好印象のイメージを持っている。
その理由としては、ブルガリのデザインにはジュエリーに対するクリエイティブポリシーを垣間見ることができるからだ。
例えば日本でもコレクターが多いブルガリの指輪といえば『ビーゼロワン』である。
欧州の美意識では、通常『足し算の美』に基づいてデザインをするものだが、ビーゼロワンのデザインは足し算の美というよりも、むしろ『日本的な引き算の美』を感じるデザインといえる。
より分かりやすく言えば、かの戦国大名であり、安土桃山時代のアートプロデューサー(もしくはクリエイティブディレクター)で名高い小堀遠州の信念である「綺麗さび」のような美意識である。
そのような経緯から私たちイケゾは、ブルガリのデザインには何かしらの日本的な何かを感じている次第だ。
結婚指輪にしてもブルガリは大変に日本の女性の心を射止めているブランドともいえる。
世界的高級ジュエリーブランドとして申し分ない知名度であるブルガリだが、デザインの観点で言えばブルガリの作品の中でも「ビーゼロワン」のデザインは優れた哲学性を感じる。
結果的に万人受けする嫌味のないデザインだからこそ、多くの人に愛されているといえよう。
貴金属の種類がプラチナやゴールド、もしくはシルバーであろうが、プロダクトデザインのビーゼロワンの普及率は他のブルガリの作品と比べて頭一つ抜きんでた存在といえる。
ブルガリの代表的なデザインといっても差し支えない。
このジュエリーの「ビーゼロワン」、腕時計の「ブルガリブルガリ」の世界的な大ヒットにより、ブルガリはその名を世界に馳せるまでになったわけだが、その要因はブルガリのデザイン力といえる。
要約すれば優れたデザインはブランディング以上の力を発揮するわけだ。
ビジネス的に考えるならば、世界的に売れているデザインからは必ず派生シリーズが誕生する。
これはファッション業界やラグジュアリー業界だけではなく、例外なくすべての業界に当てはまる。
よってビーゼロワンのデザインは、まさに現在のブルガリ(Bvlgari)を代表する美意識の結晶といえる。
そもそもブルガリの美意識の結晶であるビーゼロワンは1999年という世紀末に生まれ、新時代を駆ける「新しい美」としてブルガリが世に問うたジュエリーデザインでもある。
この研ぎ澄まされたブルガリの美は、驚くことにブルガリ発祥の地であるイタリアローマのコロッセウムがそのモチーフと言われている。
私たちイケゾはこの点に着眼をしている。
というのもジュエリーを含めた欧州文化の系譜をたどれば、古代ギリシャ文化が源流地だからだ。
古代ギリシャ文化がのちの古代ローマ帝国を誕生させ、豪華絢爛な神聖ローマ帝国文化は、かの『イタリアルネサンス』を生み出したことは大変有名な逸話だ。
ちなみにイタリアルネサンスとは、教科書でいえば『再生・復活』を意味する言葉であり、人間一人ひとりが主役であった古き良き時代の文化、つまりギリシャ・ローマ文化の原点にもどる美意識運動のことだ。
そしてルネサンス以降、欧州文化は切磋琢磨の円熟期に入り、二度の世界大戦を経験後、文化と個人主義の尊重、政治と通貨の統一を夢見て、欧州連合(EU)を生み出して現代に至る。
それはそうと今日、ブルガリは世界的ラグジュアリーブランドとして大変有名になったが、そのブランドの歴史まで深く知っているブランドホルダーが少ないのも事実だ。
一流ブランドということも踏まえ、その知名度ばかり先行し、残念ながら高級宝飾品であるブルガリの価値の深さを理解されず、ブルガリのデザインジュエリーを所有している読者があまりに多い。
それはある意味の宝の持ち腐れだと思うので、本日は最後にブルガリの歴史(物語)を少しばかり触れておこうと思う。
ブルガリの創業者ソティリオ・ブルガリは、ギリシャの系譜を組むイタリア人銀細工師だ。
ルネサンスがそうであったように、彼はシルバーアクセサリーにルネサンスを興したことで知られる。
このカリスマ亡き後、ブルガリ家は二代三代の経営努力により、洗練されたクールなデザインの真骨頂「ビーゼロワン」を生み出した。
ブルガリの真骨頂ビーゼロワンのモチーフは、古代ローマ帝国のコロッセオがモチーフではあるが、そこにアジアの数学的美意識である「ゼロの概念」を組み合わせ、西洋の足し算の美と東洋の引き算の美の融合させた。
それゆえに私たちイケゾは、ブルガリのデザインに日本の美意識である引き算の美(ゼロの概念及び一円相)をみており、ローマ帝国の末裔であるイタリアで生まれたブルガリのビーゼロワンのデザインに好印象を持っているわけだ。
ちなみにこれは余談だが、ブランドロゴにして家名である『BVLGARI』という表記は、古代ギリシャ文字(ギリシャ文化)に起因しており、現在は高級ジュエリー以外に腕時計や香水、服飾、高級ホテル経営など多角的な視点で経営をしている。
2011年3月にブルガリ創業家とLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)との株式交換が行われ、かのブルガリがLVMH傘下に入ったことはジュエリー業界に多大なる衝撃を与えたほどだ。
これがジュエリー業界に謳われる「ブルガリ・インパクト(通称:ブルガリの衝撃)」である。
ちなみにLVMH傘下入りしたといえども、ブルガリのデザイン力に今日に至るまで一切の陰りはなく、むしろ洗練の極みにあることは読者諸君がご存じの通りである。
イケゾエさんはブルガリをどう思われていますか?