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今回の質問者は、前項に続いて新人宝石商ジュエリーデザイナー20代女性からの質問だ。
読者諸君は「アーガイル産のピンクダイヤモンド」にて、ピンクダイヤモンドの知識については学び得たと思うので、今回はそれを前提に話を進めていこうと思う。
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まだピンクダイヤモンドの知識について学ばれていない方は、前項の「アーガイル産のピンクダイヤモンド」に一通り目を通してから本項を読んでもらえれば幸いである。
さて早速本題に入るが、ピンクダイヤモンドの流通量は全体流通量の0.01%未満であることは諸君は承知だと思う。
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ピンクダイヤモンドが唯一採掘できるアーガイル鉱山の2020年11月3日の閉山に伴い、欧米の機関投資家たちによってピンクダイヤモンドが富裕層の「有望な投資先」としてピックアップされた。
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米国の某大手ファンドには「ダイヤモンド」を主体とするジュエリー投資におけるポートフィリオが存在するほどだ。
その結果、アーガイル産のピンクダイヤモンドは1カラット当たり400万円の値段で取引されている。
実際にこの金額で取引されているかといえば、この金額はベンチマーク(取引指数)であるため、実際の額面取引では細かい数字になるかと思う。
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例えばサザビーズやクリスティーズなどの高級オークションハウスで販売予定なのか、もしくはヤフーオークションを中心とする一般中流層に販売予定なのか、質問事項の「ピンクダイヤモンドのルース落札相場」だが、実際にはどこで誰に販売するかによって大きく異なる。
国内でピンクダイヤモンドを仕入れてジュエリーに仕上げ、サザビーズやクリスティーズなどの高級オークションハウスで販売予定の場合、ちなみに一獲千金を狙っている大半の新人宝石商はこの方法を選ぶわけだが、この場合は品質が最重視される。
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高級オークションハウスの宝石鑑定士の鑑定技術は、宝石業界では「格式ある超一流」といわれるプロフィッショナルだ。一切の誤魔化しが効かないと思って良いだろう。
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例えばこんな話がある。
Web上で100万円で仕入れたピンクダイヤモンドをジュエリーに仕上げ、サザビーズやクリスティーズなどの高級オークションハウスに持っていったところ「当社の出品基準に合わないため、大変申し訳ございませんがお取り扱い出来かねます」と断られ、当初の目論見がはずれ、大損もしくは破産した新人宝石商、ジュエリーデザイナーは私たちが知るかぎり「星の数」ほどいる。
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知人のオークショニアに言わせるところ「出品問い合わせは1日100件ほどある」らしいが、そのうち彼らの出品基準に合致したジュエリーは0.1%だそうだ。
出品基準に合致したピンクダイヤモンドは、まさにピンクダイヤモンドの流通量と変わらないそうだ。具体的な数字でいえば、1000件に1個あれば良いそうだ。
要約すればピンクダイヤモンドの出品基準というものは、流通量0.1%のなかの0.1%が出品に値するという狭き門だ。当然、某高級オークションハウスにてジュエリーとして出品されたならば高値で落札される。
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だからこそ出品におけるオークションハウスのジュエリーの査定は、ブランド失墜の恐れもあることから一切の妥協はせず「厳格に厳格を重ねた大変厳しい基準」であるというのは想像に難くない。
裏を返せば「厳格に厳格を重ねた大変厳しい基準」だからこそ、ジュエリーの品質は維持され、落札相場も高値で取引される。
![06 5](https://ikezoe.jp/wp-content/uploads/2023/11/06-5.jpg)
つまるところ厳格な基準があるからこそ、今日のピンクダイヤモンドのルース落札相場は維持されているというわけだ。
そこでピンクダイヤモンドの競売や売買で成り上がろうと思っている読者諸君は冷静沈着になってほしい。
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Web上で諸君にピンクダイヤモンドを販売している業者は、諸君に販売することで利益をあげている。業界ルールに従えば、その利益は50%前後だろう。つまり売値の半分が原価なのだ。
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100万円であれば50万円が原価、50万円のものであれば25万円が原価、25万円のものであれば12.5万円が原価だ。
私たちイケゾエガレ&ロミオがここで述べたいのは、そんな安い品質のピンクダイヤモンドが高級オークションハウスで数百万円、数千万円に落札されることは「まずありえない」ということだ。
残念ながらこれが「現実」である。諸君が儲かるためには一獲千金に憧れることをやめることが大事となる。
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諸君は一獲千金に憧れるのではなく、大損及び破産しないためにも現実を直視して、安易な幻想を抱かないところから始めなければならない。
ありえないことをさもありえるように思わせるところに宝石及び宝石商の魅力(或いは宝石の魔性とも呼ばれる)があるのは事実だが、読者諸君はそうであってはならない。
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宝石商で成功を手にしたいのであれば、地道に信用を積み重ねていくことこそ成功の秘訣である。
前項の「アーガイル産のピンクダイヤモンド」では、メルカリでのピンクダイヤモンドの販売について記述していたと思う。
襟を正してほしい意味から幻想を抱かないために再度、下記に改めて記述する。
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メルカリでは、ピンクダイヤモンド(1.023カラット、SI1、ハートシェイプ)のルースが約37万円で即買されている。
一獲千金を狙うのではなく、諸君は一般消費者に地道に販売することが成功の秘訣であることを肝に銘じてほしい。
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そのためにはピンクダイヤモンドを安定的に利益を得られる価格で仕入れなければならないと思うが、私たちイケゾエガレ&ロミオと信頼関係が構築されているかぎり、諸君の宝石商顧問として、ピンクダイヤモンドの低コストでの安定供給は可能であるので安心してもらいたい。
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ちなみに私たちイケゾエガレ&ロミオは、ラウンドブリリアントカットからハートシェイプのピンクダイヤモンド(ダイヤモンド等級はVVS1、EX)であれば、平均5カラットぐらいまでなら用立てることは十二分に可能である。
もちろん私たちイケゾエガレ&ロミオのジュエリー作品にはピンクダイヤモンド(ピンクラボグロウンダイヤモンド)を豪華に使用したジュエリーもあるので、興味がある方は「商品一覧」を覗いて頂ければ幸いである。
これが今回の質問「ピンクダイヤモンドのルース落札相場を教えて下さい」の私たちの答えである。
ピンクダイヤモンドのルース落札相場を教えて下さい