本日は、日本人の誰もが抱く宝石商の業務実態について語りたい。
ある読者のご指摘のとおり残念ながら日本において宝石商は胡散臭い仕事のように思われている。
いきなり冒頭で単刀直入に読者諸君にお伝えするが、宝石商は日本では嫉妬される職業と断言しても過言ではない。
日本で正直に言えば「大いなる誤解を生じている職業」ともいえるだろう。
欧州やアメリカの洗練されたマーケットに対して、比較的若いマーケットである日本において「宝石商人(いわゆる宝石商)は偏見まみれの残念な職種」なのだ。
実際のところ「宝石商とは?」の質問に対して、多くの一般消費者のイメージは大きく分けて二通りにわかれており、「ゴージャスなセレブリティな仕事」もしくは「成金もしくは詐欺師っぽい」というイメージのどちらといえる。
これは否定したくとも否定できない業界事実であろう。
宝石商に対するこの二つのイメージは、いわゆるメディアによる刷り込みというものだが「わが国において男は宝石商を嫌い、女は宝石商を好む」と一般的にいわれている。
その理由というのは至ってシンプルである。
というのも男性諸君は宝石を買わされる立場のために宝石商を毛嫌いし、女性諸君は宝石を贈られる立場のために宝石商に憧れを抱いているからだ。
日本では宝石商の特色の一つに大企業が存在しないという点があり、多くの宝石商は同族経営による中小企業が主体だ。
この同族経営による閉鎖的な経営視点が社会的信頼を損ね、いわば宝石商が市民権を得ていない理由の一つといえよう。
読者諸君が決して誤解してはならないのは、「日本人にジュエリー自体が忌み嫌われている」というわけではなく、上場企業を含めた大企業が宝石事業に参入する一般事業とは異なり、特異な体質と商慣例の関係から多くの企業が志半ばに挫折し、事業として成立しづらい現状にあるということだ。
それは宝石、つまり材料である天然石が有限なものであり、大きさや等級が個数ごとに違うために大量生産及び大量販売して継続して利益をあげづらいからだといえる。
日本企業において宝石を堅実的な事業として成立させている企業といえば、クレサンベール(独自製法による合成石)で有名な京セラ、そしてMIKIMOTOといった真珠メーカーぐらいといえる。
ジュエリー文化は、わが国において古くは邪馬台国の時代、独自の研磨技術により「勾玉」という宝玉を身に飾っていた時期があり、天然石を宝飾品としてとらえる風習が存在していた。
現在でも皇室の皇位継承権の証である三種の神器の一つとして勾玉は受け継がれている。
また江戸時代には簪(かんざし)という髪飾りの彫金文化が花開いていた経緯を推測しても、ジュエリー文化が西洋の外来風習だからといって「新たな文化(大衆文化)」として日本に根付かないという考え方は成立しにくい。
残念ながら多くの一般消費者が宝石商の仕事を勘違いしているわけだが、私たち宝石商は宝石を売っているように思えるがじつのところ宝石を売っていない。
宝石を売るのではなく、「宝石を通じて人と人をつないでいる」といいたほうが無難であろう。
それが私たちの宝石商の仕事である。
また富豪や権力者と共に歩むのが宝石商といっても良い。
これは欧州限定の話ではあるが、富豪や貴族は資産運営のツールとして宝石を購入する傾向が高く、先祖代々にわたって一族の宝石として受け継がれていく。
それらは彼らが信頼する宝石商のアドバイスに基づいて購入され、まさに宝石商とは富豪や権力者たちの絶大な信頼を勝ち得た人間関係、一族の歴史そのものといえる。
そもそも論だが宝石商の仕事は、紀元前にまでさかのぼることができるほど歴史が長い。
世界的には五大文明の創世期から始まり、東洋においては仏教の創始者である仏陀(別称:釈尊)が活躍していた時代にも宝石商は存在していた。
西洋においてもイエス・キリストが布教活動していた時期や女王クレオパトラがエジプトにて君臨していた時期に私たち宝石商の業種は存在していた。
宝石商は時代と共に宝石を販売する対象(階級)は変わっていくものだが、ジュエリーを販売する行為は変わらないため、現在まで細く長く存在し、最古とは言えないが古い職業として数千年の歴史を有する職業ともいえよう。
いつの時代になってもジュエリーを買い求める愛好家は、必ず一定数どの国にも存在する。
なぜならジュエリーは女性の憧れだからだ。
さて宝石商の仕事は、冒頭でも述べたとおり「宝石を売る仕事」であるわけだが、厳密には私たち宝石商は宝石を売るのでなく、宝石をとおして喜びや感謝、自信という価値を販売している。
なぜなら「ジュエリーは思いを伝える贈り物としては、非常に今も昔もダイレクトにそのメッセージを伝える力がある」からだ。
さて相手にダイレクトに思いを伝える代表的なジュエリーに「婚約指輪」と「結婚指輪」がある。
女性は結婚時に結婚指輪を必ず求める。
といっても指輪がほしいのでなく、もちろんお金になる資産がほしいのでもない。
相手からの自分の価値を確認するものとして、婚約指輪と結婚指輪を相手に買い求めるのだ。
それゆえ購入者は満面の笑みをもって宝石を購入する。
つまり私たちの職業は「記念日をエスコートする大事な仕事」であるということだ。
従って宝石商は顧客から絶大な信頼を勝ち得なければ成り立たない業種でもある。
このように宝石商の仕事というのは、セレブリティの仕事や成金のようなお金にまみれたイメージではなく、人々の人生に華を添える仕事、門出を祝福する仕事といった方がよい。
日本では宝石商は怪しいというイメージがあることも踏まえて、私たちの仕事に興味のある一定数の読者のために宝石商の心構えというべきものを今回はお伝えをした。
宝石の神秘な輝きは衰えることなく永遠に輝き続ける。
だからこそ多くの権力者たちが最後に追い求めたのが「ジュエリーと不老長寿」ということもうなづける。
諸君が宝石商に憧憬を抱くならば、王の名を冠する宝飾家の公式メルマガ登録(無料)を是非すすめる。
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宝石商って胡散臭すぎるので内部事情を教えてください