宝石商の仕入れ

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本日の質問

弊社は1点モノジュエリーの仕入れ先を探しており、貴社から1点モノの仕入れは可能ですか?

今回の質問者は、eコマースを主体とする小売商様からの仕入れに関する質問だ。

この度、新たな取扱商材として宝飾品を取り扱うことからジュエリーメーカーである弊社に取引の申し出があったので、匿名を条件に「本日の質問」掲載することの許諾を得たので、ここに参考例として掲載する。

それでは質問の本題に入りたいと思う。

Jeweler

基本的に宝石商は二種類に分かれる。

ブランドが確定している宝石商は「既製品(自社ブランド)」を販売が可能だ。その自社ブランド既製品を何百個(或いは何千個)と販売することで大きな利益をあげる。

これはジュエリーブランド業界だけでなく、メーカーとしての当たり前の営業戦略及び販売戦略ともいえる。

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登録商標を何万個と一般消費者に販売するということにより、ロングセラーを生み出し、業界でのポジション固めを行うのだ。

その結果、○○といえば「ブランド名」というように一般消費者にブランド名が日々浸透していく。

ブランド名が浸透していけば、小売り市場のなかで確固たる地位を築くだけでなく、それが一般常識に代わる。例えばベビー用品の業界であれば、そのブランド商品が子育て等に欠かせないインフラとなる場合もある。

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それでは「ブランドが確定していない宝石商」の場合、どうかといえば以下のとおりだ。

彼らはジュエリーブランドではないため、一般消費者からみれば「宝石を店頭販売する小売店」という位置づけだ。

文字通り「宝石小売店(もしくは宝石店)」と認識される。この場合、重視しなければならないのが品揃えの豊富さである。

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そもそも宝石(この記事ではジュエリーを意味する)は、煌びやかなものであり、憧れを具現化した身を飾るものだ。

eコマースであれ、リアル店舗による販売であれ、品揃えの豊富さが売り上げを決定づけるといっても良い。

消耗品でなく嗜好品にあたるためリピートはない(商品のリピートはないが、店舗顧客としての購入は当然のようにある)。

そのことから導き出される答えは一点だけである。

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仮に店舗に50種類のジュエリーがあり、各種類ごとに10個の在庫があったとする。

合計在庫数は500個である。

基本的に消耗品でないかぎり、一般消費者が同じものを購入することはない。

その結果、10個のうち9個は潜在的なデッドストックになる可能性があり、資金の流動性を鈍らせている。

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具体的に言えば、要は50個の商品を販売するために「リピーターのない商品450個を潜在的に抱えている」というわけだ。

このことに多くの宝石商は気づかないため、私たちイケゾエガレ&ロミオは中小宝石商の倒産を嫌というほどみてきた。

上記の考え方は「消耗品(生鮮食料品)を販売するスーパーマーケットの考え方」であり、嗜好品を販売する宝石商にはまったく当てはまらないからだ。

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生鮮食品と違い、同商品を同顧客に販売することができないのが宝石商なのだ。

仮に量を仕入れるのであれば「顧客数に対して仕入れることしかできない」商売といえる。

顧客が100名いたとしても、顧客全員が同じ商品を買うとは限らない。

むしろ「買わないリスク」のほうが大きいといえる。

その結果、売れ残った商品は新規顧客が買うまでデッドストックになる。

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この買わないリスクを回避するため、ジュエリーブランドは商品数をしぼっているわけだが、ジュエリーブランドではない宝石商の場合、これは非常に難しい選択といえる。

商品を絞れば売り上げが激減するからだ。

そこでジュエリーブランドではない宝石商が成功するためには、この考え方を転換する必要がある。そして「この一点を厳守すれば誰でも成功する」のだ。

一体全体なにを厳守すれば良いのか。

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それは「量産品を仕入れず、1点モノのみの仕入れに特化する」ということだ。これにより宝石小売店はデッドストックの概念がなくなり、資金の流動性を手に入れることができる。

また一般消費者も商品の入れ替えによる店舗の盛況を肌で感じるだけでなく、「今買わないと買えなくなる」という意識から結果的に売り上げにつながる。

「損」をするかもしれない恐怖観念が消費行動を生み出すのだ。

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そしてジュエリーブランドであるイケゾエガレ&ロミオの製品は、その1点モノ生産が可能なブランドである。

なぜなら創業以来、私たちは「マスターピース・オブ・ロット生産(マスカスタマイゼーション改良型)」をブランド価値として活動してきたからだ。

50種類のジュエリー×10個=500個ではなく、「500種類のジュエリー×1個=500個」のジュエリー生産体制のため、ジュエリーブランドではない宝石店にとってはデッドストックを作らないジュエリー生産である。

そのため多くの宝石小売店、セレクトショップ等から取引があるわけだ。

極論ではあるが、読者諸君が宝石小売店(宝石商)で成功したいならば、仕入れ先を私たちのアドバイスに基づきに変更すれば良いだけである。

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以上が今回の質問「宝石商の仕入れ」の私たちの答えである。

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ジュエリーブランド「IKEZOE GALLET&ROMEO(イケゾエガレ&ロミオ)」成立に至るまでのブランドストーリー。二人の王の名を冠する宝飾家が歩んできた歴史を紹介。
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