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ラピスラズリの真偽の確認方法

本日は「天空の宝石」として名高いあのラピスラズリについて諸君と語りたい。

本日の質問

ラピスラズリの偽物の特徴を教えてください

参照元:UNHCR「アフガニスタン」より

まず市場に偽物として多く出回っている宝石の一つがラピスラズリといえる。偽物が流通するほど需要があるということだが、それだけ多くの方が騙され続けているということを示唆している。

参照元:NGOジョイセフ「アフガニスタン」より
参照元:NGOジョイセフ「アフガニスタン」より

日本でも古代よりシルクロード通じて「瑠璃」という名称で伝来しており、その名称に親しみを感じられる方もいるだろう。

参照元:PRISIDENT 「社会」より

雑学になるかもしれないが、スタジオジブリの宮崎駿監督「天空の城ラピュタ」でモチーフとされた飛行石は、このラピスラズリではないかともいわれている。あくまで伝聞であって確証はない。

参照元:Wikipedia「バビロン」より

この天空の宝石「ラピスラズリ」は、エジプトやバビロニアなどの古代文明発祥時から認知され、歴史のあらゆる要に登場してきてはその存在を誇示してきた由緒ある半貴石の宝石の一つといっても良い。

参照元:Wikipedia「メソポタミア」より

さてそれでは本題に入りたいと思うが、主にラピスラズリの偽物の特徴は大きく分けて3種類ある。

染色ピスラズリ

一点目は石肌が似ている宝石にトリートメント処理(着色料による染色)を施したラピスラズリだ。ハウライトという白い石肌の半貴石にトリートメント処理を施すと、見た目は本物のラピスラズリと同等の青光沢の色つやが出ることは、もはや業界では常識といえる。

真贋鑑定の際は除光液(アセトン)で軽く拭きとれば、トリートメント処理しているものであれば、すぐにその顔料が剥がれるので比較的判断がつきやすい。

留意点としては色が落ちるだけでは、ラピスラズリは偽物とは言い切れないことがあるということだ。

というのも「低級品の色がまだらなラピスラズリ」を見栄えをよくするため、宝石研磨士及び研磨会社がトリートメント処理を施す行為は業界では容認されているからである。

参照元:Wikipedia「瑠璃色」より

ご存知のように天然のラピスラズリには金粉のような模様がある。

これは「パイライト」といわれる成分で天然のラピスラズリ特有のものだ。ルビーやサファイア、ダイヤモンドでいえばクラックや液体インクルージョンといったものに似ている。

宝石全体が群青色に統一された無加工のラピスラズリが、唯一市場では宝石としての価値がある。

パイライトはラピスラズリの真贋には大きく貢献するものの、残念ながら市場評価額には影響を与えない。

練りラピスラズリ

二点目は低級品のラピスラズリを粉末にし煉り合せた再生ラピスラズリが市場には存在する。文字通り、商品価値のないラピスラズリを粉末状にし、煉り合せたものである。これは業者間では「練りラピスラズリ」と呼ばれている。

真贋鑑定としては鑑別機関にて成分分析にかける必要がある。

ちなみに練りラピスラズリと同じものとして「ターコイズ(別称:トルコ石)」がある。宝石としての天然ターコイズは採掘尽くされ、宝石市場には低級ターコイズの粉末状にして煉り合せたものが流通している。主にパワーストーン業界のブレスレットに使用されているターコイズは練りターコイズと思ってよい。

話が脱線したのでもとに戻そうと思う。

副成分ラピスラズリ

三点目はラピスラズリを構成している副成分を加工処理した偽物ものだ。ラピスラズリは主に「ラズライト」を主成分とし、副成分のカルサイト、パイライトの構成をもって成立している半貴石である。

その副成分の一つである白の石肌部分であるカルサイトを着色してラピスラズリとして販売しているケースもある。これは厳密にはラピスラズリではなく「カルサイト」になるので取り扱い時には気をつけた方が良い。

同様にラピスラズリの青の成分が少なくカルサイトの白が多い宝石は、比率により「ラピスマトリクス」と呼ばれる宝石になるので、これまた取り扱いには留意すべき点だろう。

余談であるがウルトラマリンブルーといわれる絵具は、天然のラピスラズリが原料とされている。それを実証するようにネーデルランドのバロック期を代表する画家ヨハネス・フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」に 使用されているターバンの青は、この天然ラピスラズリが原料(顔料)である。

フェルメール 真珠の耳飾りの少女の一部

先ほども述べたが、天然ラピスラズリは色が濃い石ほど宝石としての価値が非常に高い。

残念ながら諸君が市場で見ることがないかもしれないほど、コレクターストーンとして重宝されているのが現状といえる。

古代エジプトの装身具

また、ラピスラズリは古代エジプトではファラオの王族以外は身に着けてはならない「神聖な宝石」として取り扱われ、所持を禁じられていた逸話さえある。 日本に当てはめれば大名・公家の色というわけだ。

これらの物語と要因、人々の思惑が幾重にも重なり、現在の宝石市場におけるラピスラズリの価値となっている。

諸君がラピスラズリを購入する際は、これらのことを踏まえ購入してほしいと思う。

あまりにも値引きの価額差が激しい商品や安すぎるものは、必ず理由(裏)があることを知ってほしい。以上がラピスラズリの真偽のノウハウといえる。