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モルガナイトの価値とジュエリー

本日は今話題のカラールース「モルガナイト」について語ろう。

本日の質問

モルガナイトってどのような宝石でしょうか?価値はあるのですか?

近年、人気上昇中のモルガナイトであるが、その歴史は他のカラールースと比べて歴史が浅いことから日本ではメジャーな宝石というポジションにはない。

大衆宝石で知られるアメジストのほうが有名といえるほどだ。ちなみにモルガナイトは約100年ほど前までピンクベリルという名称で欧米では流通していた。

ベリルということで勘の鋭い諸君はもはやお気づきではあるかと思うが、モルガナイトはあの世界四大貴石の一つ「エメラルド」と同じ鉱物学遺伝子を有する宝石だ。

宝石学的には「エメラルドの亜種」である。エメラルドの亜種ということからモルガナイトは、エメラルドの兄弟石もしくは姉妹石といっても良い宝石でもある。

ちなみにベリルのことを和名では「緑柱石」と呼ぶことから、「ベリル=エメラルド=グリーン」というイメージが世間一般には非常に強い。

グリーンのイメージが非常に強いベリルだが、意外にもカラーバリエーションは豊富だ。

ベリルは黄色から青、ピンク、赤、様々な色彩の顔を持っている。

ちなみに黄色をヘリオドール赤色をレッドベリル青色をアクアマリン桃色をモルガナイト、そして緑色をエメラルドとそれぞれ宝石名として呼称する。

モルガナイトの特色は甘いピンク色ともいえる色彩だ。透明度の高いカラールースは宝石市場において、非常に高額な価格で取引されることは言うまでもない。

モルガナイトの宝石としての評価は、透明度が高くピンクの色彩の明度・彩度がともに高く輝きが強いことである。

モルガナイトといえば、私たち兄弟は一人の大富豪を思い出す。

ピンクベリルの名称の由来となった人物である。

その人物はアメリカの大富豪ジョン・ピアポント・モルガン(以下、JPモルガンと称する)、あの世界的財閥であるJPモルガン創業者である。

参照元:日刊工業新聞より
参照元:Strainer

アメリカ五大財閥の一つモルガン財閥の創始者であり、あの悲劇の豪華客船で知られるタイタニック号の実質的なオーナー、こういえば多くの人はJPモルガンを理解するようだ。

このような強面の実業家がピンクの宝石「モルガナイト」とつながるのか、諸君は理解できないかもしれない。

しかしながらどんな実業家にも趣味というのがある。

銀行家として成功したJPモルガンにも趣味があった。それ有名な宝石コレクターであったことだ。

これは何も驚くことではない。事業で成功した実業家が絵画や宝石の収集に奔るのはよくあることだからだ。

JPモルガンも同様だった。

彼は新種のカラールースの発掘に情熱を燃やしており、世界五大宝飾店の一つであったティファニーには、当時副社長であるジョージ・F・クンツ博士という宝石学の世界的権威がいた。

JPモルガンはそのクンツ博士の友人にして後援者の一人だった。

ここで宝石とモルガンの関係が一つにつながるわけだ。

ジョージ・クンツ博士とモルガナイトの結晶体

友人にして後援者でもあるJPモルガンの支援を受け、クンツ博士主導の下、アフリカ東部のマダカスカル島で1910年に宝石学者たちによりモルガナイトの鉱床を発見及び確認した。

翌1911年、炭鉱労働者によりモルガナイトの結晶は発掘された。

クンツ博士は、ニューヨーク科学アカデミーにて、JPモルガンの多大なる貢献に感謝と敬意を表し、 このピンク色の美しい宝石を「モルガナイト」と呼称するように提案した。

その結果、ピンクベリルの正式名称は「モルガナイト」となった。

これがモルガナイトの名称由来である。

そうモルガナイトの名称由来はJPモルガンとジョージ・F・クンツ博士の友情に帰するわけだ。

ちなみにクンツ博士もモルガナイト発掘の数年前に「クンツァイト」という新しい宝石を発見し、その宝石に自分の名を冠していたということも忘れてはならない秘話ともいえる。

スミソニアン博物館(JPモルガンコレクション 所蔵)

モルガナイトは友情というお金では買えない価値のもと、生まれた新しいカラールースなのである。

モルガナイトにはこのような深い人間関係による物語が秘められている。

ちなみにモルガナイトの主な産地はマダカスカル、ブラジル、アフガニスタンである。

現在の宝石市場に流通しているモルガナイトだが、色の薄いモルガナイトを加熱処理を行い淡いピンク色にしているモルガナイトが大半だ。 ベリルは熱を加えれば色が変化する性質があるためである。

アメリカ自然史博物館

今回は20世紀に発見された比較的歴史が浅いカラールースの一つ、モルガナイトについて論じさせて頂いた。

今回は友人の実業家が新種かもしれない宝石を持ってくる予定なので、本日は僭越ながらこのあたりで失礼する。