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ガイ単価

本日の質問

宝石業界で使用される『ガイ計算』『ガイ単価』とは何ですか?

今回の質問者は、宝石専門学校生(女性)からの質問だ。学校では「ガイ計算」「ガイ単価」という言葉を習ったことがないということから、後学も含めて本記事として記載する。

ガイ計算(ガイ単価)とはダイヤモンドの1ct当りの単価だ。ダイヤモンドの売買の場合、1個での価格での取引を行うが、基本的に相場表に基づいて売買を行う。

学校では「ガイ計算」「ガイ単価」という単語を習わなかった理由は、その宝石専門学校が技術系の学校のため(宝石の商売を教える専門学校でなかったため)だと推測する。

勘が鋭い読者諸君は「相場表」との単語から金相場・プラチナ相場等を思い浮かべた者もいるだろう。

まったくその通りでダイヤモンドに関しては、どこの国から仕入れようともラパポートレポートというダイヤモンド国際相場に基づいて取引されることから「どこの国が安く仕入れられる」とかそういったものはなく、安定した取引相場となっている。

ラパポートダイヤモンドレポート

生産者(主に鉱山主)の場合、ダイヤモンドを自社にて研磨し、相場表に基づいて宝石市場に流通させている。

ダイヤモンドを安く仕入れたい場合、鉱山主から仕入れるか、もしくは国内の地下鉱山と称される家庭にあるダイヤモンド商品を買取ること以外に安く仕入れられる方法はない。

話をもとに戻すが、ダイヤモンドの取引は『重量×相場単価(ガイ単価)』で価格を算出する。

これが「ガイ計算」といわれるものだ。

仮に天然ダイヤモンド[0.50ct Dカラー VS1 VeryGood]の裸石を読者諸君が所有していたとする。

以下がガイ計算・ガイ単価の例となる。

1ct Dカラー VS1 VeryGoodが相場表で15万円であった場合、以下が正しいガイ計算となる。

0.50ct(質量)×150,000円(ガイ単価)=75,000円

多少の金額の幅はあるかもしれないが、大都会の宝石商であれ、片田舎の宝石商であれ、ダイヤモンド相場に基づくために販売金額はおおよそ同じである。

当然のように宝石商はダイヤモンドを買い取る場合、この価格より下値で買い取ることで儲けを出す。

以前まではダイヤモンドのみに適応されていた「ガイ計算」「ガイ単価」という考え方は、現在ではダイヤモンドだけでなくサファイアやルビー、エメラルドなどといった宝石にまで幅広く適応されている。

例えばガイ単価30万円のルビーが3.21ctあった場合、そのルビーの1個単価は「3.21ct×ガイ単価=96万3000円」となる。

海外では「1ctの買値」で知られるガイ計算・ガイ単価の由来だが、日本では「キャラットの買値」が「キャラガイ」に変化し、最終的に「ガイ」となったといわれて久しいが真実は不明である。

宝石専門用語としての「1ctの買値(ガイ)」は宝石業界に身を置くのであれば、一般常識なので覚えておくことは必須知識だ。

以下が宝石商の売り手と買い手の交渉例だ。

買い手
「このルビー、ガイいくら?」

売り手
「ガイ10万円、ちなみにルビーの重さは3.68ct」

買い手
「36万8000円(3.68ct×ガイ単価10万円)か。ちなみに値引きは可能ですか?」

売り手
「もう1個ルビーを買ってくれたら、ガイ9万円にするよ」

という「ガイ」を使用しての売買交渉は日常茶飯事だ。

読者諸君が宝石のプロフィッショナルを目指すのであれば、ダイヤモンドや宝石は「個」ではなく、「ガイ」で買うことを心掛けてほしい。

以上が今回の質問「宝石業界で使用される『ガイ計算』『ガイ単価』とは何ですか?」の私たちの答えである。