今回の質問者は、宝石店を開業を目指している女性からの質問だ。
バイヤー経験があることからクレサンベールを仕入れるにはどうすればよいか、私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)に質問をされてきたわけだ。
それでは時間もないことから本題に入ろうと思う。
読者諸君はクレサンベールをご存じかと思うが、聞いたことのない方もおられるかと思うので説明しよう。
まずクレサンベールとは京セラ株式会社の登録商標であり、京セラが生み出した合成石のジュエリーブランドのことである。
京セラは結晶を人為的に行い、不純物のない品質が高い合成石を生み出した。
結晶を人為的に行うことを京セラでは「再結晶」と呼び、この再結晶という単語もまた登録商標だ。
この一連のプロセスから生み出された合成石を京セラは「クレサンベール」と名付けたわけだ。
「無」から作り出すのではなく、種となる鉱石を人為的に高炉の中で「再結晶」し、純度の高い宝石の結晶体を生み出し、京セラの研磨職人(もしくは専用機械)が研磨し、最終的に高品質の宝石に仕上げるというものだ。
クレサンベール=再結晶の合成石というわけだ。
当然のように人為的に再結晶化するため、鉱石から宝石になるまでロス率も高い。
プロセスこそまったく異なるが、ラボグロウンダイヤモンドと同じようなものだ。
ちなみにクレサンベールはルビー、サファイア、アレキサンドライト、タンザナイトなどの世界六大貴石の合成石が大変有名だ。
京セラの優れたブランディングの結果、クレサンベールは合成石ジュエリーブランドといえども日本市場での評価は高い。
日本ではあのスワロフスキーよりも高いといえる。
その理由は中古市場(セカンドリーマーケット)にて、流通しているクレサンベールはノーブランドのジュエリーよりも高値で売買されているからだ。
中古市場ではクレサンベールのジュエリーが高値で取引されているということだ。
これはスワロフスキーでは考えられない現象である。
気になるクレサンベールの仕入れ方法だが、クレサンベールを展開する京セラジュエリーは卸売を行っていない。
資金力があるからこそ、他社に販売を依存する必要などないことからすべて直営店による販売だ。
この答えから導き出される解決方法はたった一つだけである。
クレサンベールを仕入れたいのであれば、残念ながら中古市場からの仕入しかないということだ。
ちなみにイケゾエガレ&ロミオのジュエリー作品は、一般消費者が気軽に購入できる合成ダイヤモンドであるラボグロウンダイヤモンドのジュエリーも取り扱っているので、興味がある方はメールを頂ければ幸いだ。
以上が今回の質問「クレサンベールの仕入れ方法を教えて下さい」の私たちの答えである。
クレサンベールの仕入れ方法を教えて下さい