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宝石商の利益率

本日の質問

趣味の宝石販売を本業にしたいと思っていますが、宝石の利益率を教えてほしいです

今回の質問者は、文字どおり趣味の宝石販売を本業に考えているシングルマザーの女性からの質問だ。

趣味を本業と考える場合、楽しんで販売していた頃と違い、生活がかかっていることから物事をシビアに判断することは当然といえば当然である。むしろシビアに考えることができないのであれば趣味を本業に考えてはいけない。

趣味を本業にする人たちは「この部分を疎かにする」ため、残念ながら「不成功」に終わることが高い。

如何にして認識と見解、解釈において「趣味としての甘さ」を捨て、ビジネスとして「シビアに物事を判断」できるか、この判断力こそ成功と不成功の差があるといってもよい。

ちなみに私たちイケゾエガレ&ロミオは不成功の事業において、どんなことがあっても「失敗」とは言わない。

それは人生の山を登攀しようとした勇気ある挑戦者・先駆者たちに失礼だからだ。

それに広範囲に述べるのであれば、失敗とは物事に挑戦しなかった人たちのことだと私たちは考えている。

事業の不成功はそこから何を学び、次に生かせば経験値(実績)として活きるため、そもそも事業の不成功は忌み嫌うものではない。不成功の経験があってこそ成功があるからだ。

裏を返せば「事業が成功するうえで必要不可欠な経験」こそ不成功ともいえる。

経営マインド部分の前置きが長くなったが、それでは質問の本題に入りたいと思う。

宝石の利益率だが、まず事業形態によって大きく異なる。

主に物販業は製造小売、小売と二区分に分かれる。

今回は小売(宝石小売業)、一般的な宝石店から宝石の利益率を考えていきたい。

宝石小売店の利益率は、ブランドジュエリーを販売するのか、或いはノーブランドのジュエリーを販売するのかによって利益率は大きく異なる。

基本的にブランドジュエリーは直営販売(直営店経営)のため、宝石の利益率は社内秘ではあるが、一般的なブランドジュエリーの原価構成の大半を占めるのが「広告宣伝費」と「人件費」であることから原価の10倍前後だと思って頂いても差し支えない。

ここから導き出されるのは製造原価1万円のものであれば、売値は10万円前後という価格設定であり、以下の数式だ。

[ブランドジュエリーの利益率(1商品あたり)]
売上高10万円-原価1万円=9万円(利益率90%)=「売上総利益(粗利)」というわけだ。

これを1日に何個売るのか5個であった場合、1日の売上総利益45万円ということになる。

45万円×30日=1ヵ月の売上総利益1350万円

そこから販管費(人件費、広告宣伝費、地代等)を引いた金額が営業利益だ。

だいたい650万円が販管費と考えた場合、営業利益は700万円になる。

営業利益から営業外損益を引いたのが経常利益だ。

経常利益から特別損益を引いた金額が税引利益となり、そこから税金を引いた金額が当期純利益だ。

参照元:Freee株式会社「会計の基礎知識」より

あまり知られてはいないが、宝石業界の98%がノーブランドジュエリーを販売する宝石商であるため、本記事ではノーブランドのジュエリーに焦点を当てていく。

宝石販売で生計をたてていくには、まず「帳簿から物事を考えていく必要」がある。

絶対にしてはいけないのが気分に任せ、適当に価格設定をすることだ。

趣味を本業にする人たちは思慮のなさから気分で価格を設定することが多いが、生き残っている宝石商は戦略的な価格設定をしている。

ちなみにノーブランドジュエリーの宝石の利益率は販売店によっては様々だ。

千差万別といっても良く、事業が継続できるのであれば、どの利益率も「正解」である。

ここで大事なのは「事業が継続できる」かどうかだ。

事業が継続できるということは利益があがっているということから、宝石の利益率を考える場合、以下の方程式が成り立つ。

当期純利益>税引利益>経常利益>営業利益>売上総利益>売上高

最初に売り上げを考えるのではなく、利益を考える「逆算」の経営が宝石商として成功の秘訣だ。

宝石店の経営戦略だが、まず最低でも確保したい「1ヵ月の利益」から「販管費」を計上しながら売上高を組み立てていく。

個人自営業からスタートする場合、「1ヵ月の利益」は自分の給料と置き換えてもよい。

売上高を組み立てるうえで大事なのが、すでに読者諸君がもっている自店舗での「平均顧客単価(過去データ)」を組み込むということだ。

それを現実的に組み合わせれば「販売価格」というものが算出され、当然のように「宝石の利益率」が導き出される。

要約すれば宝石の利益率とは以下である。

「平均顧客単価(過去データ)」×販売数-総原価=粗利益
粗利益÷売上高×100%=宝石の利益率

これが読者諸君の「宝石の利益率」である。

平均顧客単価というものは諸君の価値観及び人生観に比例されるため、当然のように個人差はある。

残念ながら「宝石の利益率に定石はない」ということだ。利益率が25%であれ、50%であれ、75%であれ、事業が継続できれば問題はない。

事業継続こそ事業成功といえるからだ。会社が株式上場し、業績改善を株主から求められていないかぎりは他社の利益率と比べる必要などまったくない。

以上が今回の質問「趣味の宝石販売を本業にしたいと思っていますが、宝石の利益率を教えてほしいです」の私たちの答えである。