今回の質問者は、CtoCサイトでラボグロウンダイヤモンドのリングを購入した女性からの質問だ。
ラボグロウンダイヤモンド関連の記事を読み、「自分のラボグロウンダイヤモンドは偽物かもしれない」と思い当たる節があり、一抹の不安を抱えて、私たちイケゾエガレ&ロミオ(以下、イケゾと称する)に質問メールを送られたようだ。
まず購入時のラボグロウンダイヤモンドの鑑定書は信じてはいけない。
理由は「すり替え」が少なからずもあるからだ。
鑑定書取得後にラボグロウンダイヤモンドと模造石(キュービックジルコニア、もしくは合成モアサナイト)に取り替えられている可能性が否めないからだ。
これは「よくある事例」である。
顔を合わせずとも取引が成立するネット通販ほど鑑定書のすり替えが多い。
クレジットカードの不正利用と同じぐらいに多いと理解すべきだろう。
それでは早速だが本題に入らせてもらう。
購入時に付属していたラボグロウンダイヤモンドの鑑定書どおり、諸君が購入したラボグロウンダイヤモンドが「本物のラボグロウンダイヤモンド」かどうかを確認する方法として、大きく分けて2種類に分かれる。
1つ目は費用によって分かれるが、Webで調べればランダムに検索表示されるダイヤモンドの鑑別機関に「真贋確認」として鑑定依頼することだ。
大半のダイヤモンド鑑定及び鑑別機関は依頼を受けてくれるが、ダイヤモンドグレードの「4C」評価のダイヤモンド鑑定書ではなく、「ダイヤモンド鑑別書」にて対応するだろう。
鑑別書は真贋確認、すなわち本物かどうかを明記する証明書だ。
なぜ鑑定書をださないのかといえばその理由は明確である。
宝石業界としてラボグロウンダイヤモンドは、真贋確認として「合成ダイヤモンド」として明記するというわけだ。
ダイヤモンド鑑別書に「合成ダイヤモンド」と明記されたならば、それは間違いなく本物のラボグロウンダイヤモンドなので安心してよい。
この場合、気になる費用は10,000円前後ぐらいになる。
2つ目はこれもまた費用が分かれるが、ラボグロウンダイヤモンドを「本物」のダイヤモンドと認めているダイヤモンド鑑定機関に「4C評価」をしてもらうことだ。
海外ではラボグロウンダイヤモンドを本物のダイヤモンドとして認めている機関が「アメリカ宝石学協会(通称:GIA)」だ。
ダイヤモンドの世界的権威はすでにラボグロウンダイヤモンドを本物と認めている事実は、宝石業界としては否定しようのない事実だ。
日本の保守的な二周遅れの宝石業界も彼らに追従すれば、少なからずも業界の新陳代謝が起こることは期待してやまない。
ちなみに気になる鑑定費用だが、カラットのサイズと実物鑑定書とデータ鑑定書により、価格は大きく異なる。
GIAでは7000円から2万円前後の費用がかかると見込んだ方がよいだろう。
国内でもラボグロウンダイヤモンドを「本物」と認めるダイヤモンド鑑定機関がある。
それが国内最大手である中央宝石研究所(通称:CGL)だ。
中央宝石研究所のラボグロウンダイヤモンド鑑定書の4C評価は、正確な4C評価ではなく、パラメータ式の簡易4C評価だ。
それでも鑑定機関最大手がラボグロウンダイヤモンド鑑定書を作成する意義は大きい。
CGLのラボグロウンダイヤモンド鑑定書は約1.5万円ぐらいだ。
2種類のうちどの方法で「真贋確認」をするかどうかは諸君次第ではあるが、どちらを選ぼうとも問題はない。
要は真贋判別における「セカンドオピニオン」的な役割であることから費用をさらにかけるかどうかの差である。
ここで復習も兼ねて再度確認しておきたい。
ネット通販でジュエリーを買った場合、付属の宝石鑑別書(ラボグロウンダイヤモンド鑑定書を含む)を信じるのではなく、自分で鑑別依頼をした鑑別書ないしは鑑定書を信じるということだ。
宝石素人は鑑別書が付属していれば「間違いない」と安心しがちだが、それが宝石素人が素人所以である。
まずは付属している鑑別書から疑うところからはじめてもらいたい。
ラボグロウンダイヤモンドの鑑定書について教えてほしい