今回の質問者は、ジュエリーデザイナーを志してる宝石専門学校生からの質問だ。
メレダイヤモンドの価格は専門学校で学ぶかと思うが、人よりも前に知識を得ることは向学心の一点に尽きることから今回は専門学校生の諸君の質問に答えようと思う。
それでは質問の本題に入りたいと思う。
ダイヤモンドはRAPAPORT(ラパポート)の世界相場表によって決定されることは、すでに読者諸君は承知のとおりだと思うのでこのあたりの詳細は割愛させてもらう。
ちなみに読者諸君は「メレダイヤモンドの定義」をご存じだろうか。
そもそもメレダイヤモンドというのは一体何かといえば、メレダイヤモンドはMelee(メレ)というフランス語が由来であり、「小粒石」を意味する「0.3カラット」のダイヤモンドのことだ。
私たちの業界ではセンター石を「中石」と呼び、中石を取り巻いている宝石を「脇石」と呼ぶ。
要約すればメレダイヤモンドとは、中石に相応しくないサイズの小粒ダイヤモンドと思ってもらって問題はない。
文字どおり主役である「中石」を惹き立てるのが脇役である脇石の役割だ。
色石のジュエリーにおいて、脇石はメレダイヤモンドというのが定石である。
その理由は見栄えがするということもふまえ、嫌いが少ないという点もあるが「安定したデザイン」ができるという点と量産化が可能という点が一番大きいだろう。
最近では0.30カラットのメレダイヤモンドを「中石」にするジュエリーブランドもあることから、メレダイヤモンドの定義は時代とともに移り変わるのかもしれない。
さて本題のメレダイヤモンドの価格はどうやって決定されるかだが、基本的にRAPAPORTのダイヤモンド世界相場表から計算できるので読者諸君も試してもらいたい。
前回でも記載したが「ガイ単価」によって導くことが可能というわけだ。
メレダイヤモンドの価格決定の数式は以下である。
[例.所有するダイヤモンド0.1カラット(Dカラー VS1 VeryGood)]
1ct Dカラー VS1 VeryGoodが相場表で10万円であった場合、以下が正しいガイ計算となる。
0.10ct(質量)×100,000円(ガイ単価)=10,000円
1万円が0.1カラットのガイ単価になるが、気を付けなければならないのはあくまで相場表の中での価格だということだ。
実際の0.1カラットの価格は卸業者にもよるがそこまで高くはない。
というのもRAPAPORTのダイヤモンド世界相場表は「中石に使用できるダイヤモンドを想定した金額」であるため、メレダイヤモンドは想定外だからだ。
私たちのジュエリー作品にはメレダイヤモンドをふんだんに使用しているジュエリーもあるので、興味がある方はメールを頂ければ幸いだ。
以上が今回の質問「メレダイヤモンドの価格はどうやって決まるのですか?」の私たちの答えである。
メレダイヤモンドの価格はどうやって決まるのですか?