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口コミで話題のモアサナイトとは?

男性諸君からモアサナイトのプロポーズリングについて聞かれるので、良い機会でもあることからモアサナイトについて回答しようかと思う。

本日の質問

モアサナイトのプロポーズリングを贈りたいのですが、実際のところどんな感じですか?

プロポーズリングといえば天然ダイヤモンドといわれて久しいが、とくに「婚約指輪は給料の三ヵ月分」という有名フレーズはダイヤモンド鉱山及び小売会社最大手のデビアス社のセールスコマーシャルなので気にしないほうが良い。

結婚生活を送るうえでお金がないことほどパートナーを不安にさせることはない。

従って「給料の三ヵ月分をつぎ込んだ婚約指輪」よりも、現実的には「給料一ヵ月分程度の婚約指輪で良い」かと思う。こう書けば宝石業界から叩かれるわけだが、消費者に寄り添うならこう書かざるえない。

婚約指輪やプロポーズリングの指輪の概念については、ここでは議題が違うので省略させてもらう。

詳細はプロポーズリングと指輪にて説明しているので、時間があるときでかまわないのでご参照頂ければ幸いである。

さてここから本題に入るが、口コミで話題の宝石「モアサナイト」の歴史は1893年、地球(具体的にはアメリカのアリゾナ州)に落ちてきた隕石の衝突跡から「宝石のかけら」が発見され、フランスの化学者にしてノーベル科学者アンリ・モアッサン氏によって、その名を冠して「モアサナイト」と名付けられた。

化学分析でいえば、モアサナイトは「炭化ケイ素」結晶であり、ダイヤモンドは「炭素」結晶であるため、家柄でいえば親戚みたいなものだ。

分家と本家みたいなかたちであり、ただモアサナイトは鉱石から産出される鉱石であるため、非常に稀な宝石あることから天然モアサナイトの結晶は希少性が高く、使用が禁じられている。

いわゆる国立博物館級の高級宝石が天然モアサナイトというわけだ。残念ながら一般消費者が買える代物ではない。

これがモアサナイトが宇宙からの来訪者「隕石の宝石」と呼ばれる所以だが、現在はチャールズ&コルバードによって人工的に生産されている。

ちなみに疑似ダイヤモンドとして代表的なものが「スワロフスキー」だ。

次に一般的に知られるのが「キュービックジルコニア(二酸化ジルコニウム)」であり、最後に今回の本題である「モアサナイト」だ。

代替ダイヤモンドといえどもスワロフスキー・キュービックジルコニアは、鑑別機関にて鑑別検査をすればあくまでダイヤモンドに似せた「模造石」という評価だが、天然モアサナイトに対しては「合成モアサナイト」という評価になる。

鑑別は「比較評価」なので、天然スワロフスキー、天然キュービックジルコニアという鉱石・宝石はこの世に存在しないので比較対象が天然ダイヤモンドとなるため、天然ダイヤモンドに対して「模造石」という評価となるというわけだ。

一方、モアサナイトの場合は、天然モアサナイトはこの世に存在するため、天然モアサナイトに対しての比較評価になるため「合成モアサナイト(再結晶モアサナイト)」という評価になる。

科学者たちが生み出した疑似ダイヤモンド「モアサナイト」は、1998年頃から宝石市場に流通し始めているが宝石としての価値は非常に高く、ダイヤモンドの2.5倍の輝きを持っていることから、海外では「スワロフスキー」「キュービックジルコニア」よりもプロポーズリング・婚約指輪用の「ダイヤモンド代替品」としてモアサナイトが選ばれているという現実がある。

ダイヤモンドとモアサナイトの違いについてだが、鉱物検査を行ったところ屈折率2.69、分散度(ファイア)0.104、光沢指標20.40%であるため、ダイヤモンドよりも光の屈折率・分散率が高いことから輝きに関してはダイヤモンドよりも格上である。

モース硬度はダイヤモンドが10に対して、モアサナイトは9.5と少し低いが、ルビーやサファイアなどのコランダムよりも硬い。

以上のことから「天然ダイヤモンドの代替品」という観点からいえば、スワロフスキーやキュービックジルコニアよりも、合成といえどもモアサナイトのほうが遥かに優れている。

気になるモアサナイトの値段だが、裸石(ルース)としては1ctあたり2万円から6万円前後が相場だ。

とくに最近ではダイヤモンドのように鑑定書をつける品格ある宝石商もいることから、モアサナイト鑑定書付の裸石の場合は3万円ぐらいが相場のようだ。

読者諸君にとくに留意してもらいたいのが、口コミで話題となってるモアサナイト鑑定機関「GRA」という存在だ。

ダイヤモンドであれば、GIA(米国宝石学会)が定めた品質評価国際基準である「4C」を世界の各鑑定機関がそれぞれ独自の書式で発行するのだが、合成モアサナイトにおいては、そもそも人工的に製造されるため、品質にばらつきが少ないのが特徴だ。

ダイヤモンドでいうところの「4C」等級もすべて最高等級といえるので、モアサナイトとしての真贋や等級格付等の鑑定書はそもそも必要ない。

またGIAを模様しているモアサナイト鑑定機関「GRA」は、鑑別書デザインからロゴも含め、商標権的に少なからずも問題はある。

念のため下記に本家本元のGIAダイヤモンド鑑別書を記載しておく。

今では天然ダイヤモンドと「モアサナイト」の鑑別は容易になっているが、1998年当時は鑑別技術が未熟であったため「合成モアサナイト」が天然ダイヤモンドとして幅広く宝石市場に流通し、日本の宝石商・ダイヤモンド商の多くが騙されて破産した経緯がある。

これは日本を代表する大手鑑別機関さえも口を閉ざしている宝石業界の黒歴史である。

少なからずもモアサナイト鑑定機関「GRA」発行の鑑別書は、そういった経緯が理由で誕生したのであれば消費者観点と販売者観点、双方にとって「詐欺防止」の観点から有益ではあると個人的に思う。

さらに最近、宝石業界でも話題になっているのが「すり替え問題」だ。

鑑定書付の天然ダイヤモンド2.00ctのPt900リングを有名フリマで購入したものの、半年後に質屋や宝石商に買取依頼をだしたところ地金はPt900で問題なかったが、中石が天然ダイヤモンドではなく、合成モアサナイトだったというものだ。

これは流通及び再流通時に天然ダイヤモンドを「合成モアサナイト」にすり替えられ、高値で買わされたという類いだ。

相談者は100万円弱で購入したそうだが、実際の価値は地金相場を含めて3万円ぐらいだと思う。

仮に売り手が天然ダイヤモンドを「合成モアサナイト」にすり替えたと仮定した場合、売り手は天然ダイヤモンドを別ルート(もしくはブラックマーケット)で高額で売り抜けている可能性があるので、売り手が得た利益は200万円はくだらない。

こういう売り手は悪知恵が働くので、だいたいは他人名義で販売している可能性があり、販売形跡を立証することは難しい。

仮に売り手を特定したところで「購入者がすり替えた」と証言すれば、すり替え証拠を立証することは難しいのが現実だ。

匿名市場の有名フリマではこういう行為が日常茶飯事で起こっているので、読者諸君が高額な宝石をネット上で購入する場合、私たちイケゾエガレ&ロミオに一度は無料相談してみるのも得策ではなかろうかと思う。

※ 注意事項
くれぐれも読者諸君は天然ダイヤモンドを「合成モアサナイト」にすり替えて販売しないように。