今回の質問者は、宝石専門学校生(女性)からの質問だ。
ラボグロウンダイヤモンドと一般的なダイヤモンドの違いを知っておくことは、もはや今後のジュエリー業界にて生き残るうえで必須知識だ。
そのことから本題に入らせてもらう。
ラボグロウンダイヤモンドの売り方等に関しては「ラボグロウンダイヤモンドのルース」「1ctのラボグロウンダイヤモンド」「ラボグロウンダイヤモンドの販売店」「ラボグロウンダイヤモンドの欠点」を参照してもらえれば、だいたいのことは理解できるかと思うので本記事では割愛させて頂こうと思う。
一般的に知られているラボグロウンダイヤモンドの特性は以下だ。
研究室にて人工的に生成したダイヤモンドの種を炭素を含有したメタンガスにマイクロ波のエネルギーを照射しながら、ひし形に成長させていくことにより、ダイヤモンドを人の手によって生み出す方法だ。
生成段階から化学的な不純物を含まないことから、ラボグロウンダイヤモンドは純度の高い高品質のダイヤモンドであることも知られている。
この方法で生み出されたダイヤモンドは、宝石業界では「本物」のダイヤモンドとして認知されている。
自然由来のダイヤモンドを天然ダイヤモンドと呼び、研究室由来のダイヤモンドをラボグロウンダイヤモンド(或いは合成ダイヤモンド)と呼ぶ。
見た目での判断だが、一般素人であれ、専門家であれ、ダイヤモンドテスターを使用しても「ダイヤモンド」と判断されることから目視鑑別での判断は不可能だ。
専門の精密な高度ダイヤモンドテスターがなければ判断は難しいダイヤモンドともいえる。
そのことから「ラボグロウンダイヤモンド」が一般に認知されるまでは、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドとして世界中の宝石市場に流通していた経緯がある。
大手宝石商を含む日本の大半の中小宝石商は、このラボグロウンダイヤモンドを天然ダイヤモンドとして取り扱っていたことから、ある時期を境にして一斉に廃業した黒歴史がある。
ラボグロウンダイヤモンドメーカーの意図的な戦略かどうかはさておき、率直に述べるのであれば日本の多くの宝石商・第三者鑑別機関が騙されたというわけだ。
保守的なジュエリー業界の再編成・統廃合を促した宝石がラボグロウンダイヤモンドであり、見方を変えればラボグロウンダイヤモンドのおかげで宝石業界は新陳代謝が活発化したともいえる。
諸君に是非とも覚えてもらいたいのがラボグロウンダイヤモンドとは、ジュエリー業界の常識を覆した宝石であるということだ。
ちなみに以下がラボグロウンダイヤモンドのメリット・デメリットなので、一般知識として覚えてもらいたい。
【メリット】
(1)環境破壊をせず、児童労働を介さないため、SDGsに合致したダイヤモンド
(2)研究室で生成されることから高品質・大粒サイズが低価格で買える
(3)同品質ダイヤモンドが大量に生成できる
【デメリット】
(1)ジュエリー業界としては正式に「宝石」として認めておらず、再販価格が不透明
(2)すでにステークホルダーによって既得権益がある
(3)日本の主たる鑑別機関が「宝石鑑別書」のみ制作可(中央宝石研究所は4C評価のダイヤモンド鑑定書の作成可)
気になるラボグロウンダイヤモンドのデメリットだが、これらは市場流通と同時に市民権を獲得すれば、自然と解決される。
現在のところ天然ダイヤモンド市場とラボグロウンダイヤモンドは明確に区分されているが、「養殖真珠」と「天然真珠」の歴史と同じように多少の軋轢は生じながら市場は統一されていくので安心してもらいたい。
確かに養殖真珠メーカーである「MIKIMOTO」の創業者である御木本幸吉氏が生み出した養殖真珠が「宝石」として認められ、宝石市場に流通するまでは長い年月がかかった。
しかし現在、養殖真珠と天然真珠は宝石市場において「宝石」として取り扱いされ、再販価格も安定している。
ラボグロウンダイヤモンドの一番のデメリットは、天然ダイヤモンドとは違い、ラボグロウンダイヤモンドであっても「本物」のダイヤモンドと変わらないため、市場流通において「ステークホルダー(既得権益者)」の存在があるのがラボグロウンダイヤモンドの最大のデメリットだ。
何事も「ステークホルダー」の存在を無視して物事はまわらないように、諸君がラボグロウンダイヤモンドを取り扱うには、このステークホルダーとの取引が大事となる。
このステークホルダーこそ私たち「イケゾエガレ&ロミオ」である。
諸君がラボグロウンダイヤモンドを取り扱いたい場合、私たちは諸君にルース(裸石)のかたちで提供することが可能である。
安定的に「大量(卸)」に扱いたい場合も含め、興味がある方はメールを頂ければ幸いだ。
これが今回の質問「ラボグロウンダイヤモンドとは何ですか?」の私たちの答えである。
ラボグロウンダイヤモンドとは何ですか?